韓国は、1990年代初頭の日本や金融危機直前のアイルランドなど、不動産投資で失敗した国の列に加わろうとしている。「ロンドンのシティーの歴史は、投資家がやって来ては去って行くというものだ」と、不動産オーナー会社、デベロップメント・セキュリティーズの元トップ、マイケル・マークス氏は言う。やけどをした投資家もいれば、本国市場での損失を補おうとする人もいるという。
韓国勢、5年間に欧州物件を買い漁り
韓国の海外不動産投資開始はかなり最近のことだ。2010年代の後半に、有利な為替レートと自国で得られるよりも高い利回りに引かれ、過熱する不動産市場が宝の山であることを期待してソウルのファンドがこぞって参入した。MSCIリアル・アセッツのデータによると、韓国勢は19年の欧州の商業用不動産市場において米国に次ぐ域外投資家であり、同年だけで130億ユーロ(約2兆円)の取引を行った。
17年から22年の間に、韓国の投資家は90件以上の欧州の不動産をそれぞれ2億ユーロ以上の価格で買い取った。その多くは、ロンドンのシティーやパリのラ・デファンスにある大型ビルだった。不動産仲介のサビルズによると、両金融街の物件の価値はこの1年で20%余り下落した。
韓国の投資家はアマゾン・ドット・コムのような有名テナントと長期賃貸契約を結んでいるビルを選好したため、完璧な立地やエネルギー効率が優れていることを示す高いグリーン評価よりも、誰が賃貸料を支払っているかという認知度の高さを重視していた。また大きな敷地を好んだが、こうした物件は老朽化すると修繕費がかさむ。<中略>
韓国の投資家にとって、市場の急落は最悪のタイミングで訪れた。韓国金融監督院のデータによれば、韓国の不動産ファンドは2025年末までに約30兆ウォン(約3兆3000億円)が償還期限を迎える。これは全体のほぼ40%に相当し、需要が落ち込んでいる時期に大量の商業ビルが市場に出回ろうとしていることを意味する。
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