エアバスとCFM、A380でファン露出型エンジン飛行試験 オープンファン実用化目指す
エアバスと航空エンジン大手のCFMインターナショナルは現地時間7月19日、エンジン前部のファンが露出した「オープンファン・エンジン」の飛行試験で協業すると発表した。総2階建ての超大型機エアバスA380型機を使用し、航空業界が2050年を目標に定めるCO2排出実質ゼロ達成に向けた開発を進める。A380による飛行試験は、2026年開始を目指す。
この飛行試験は、CFMのRISE(Revolutionary Innovation for Sustainable Engine)実証プログラムの一環。2026年から2030年までに仏トゥールーズにあるエアバスの飛行試験施設で実施する。オープンファン・エンジンは、従来のターボファン・エンジンではカウルに囲まれている前方のファンブレードにあたる部分が露出している。また、エンジンのバイパス比がCFMの最新エンジンLEAPでは11:1だが、オープンファンは70:1を超える値を達成できるという。バイパス比が大きいほど、亜音速での推進効率が向上し、低速時の燃料消費が改善され、騒音も抑えられる。GEによると、オープンファンは既存のジェットエンジンよりも燃費を20%改善し、CO2排出量を20%削減できるという。
A380は現在主流の双発機と異なりエンジンが4基あることから、このうち1基を新開発エンジンに換装する飛行試験に適している。エアバスとCFMは、今年2月に水素エンジンの実証実験を行うパートナーシップを締結しており、実証実験ではA380を使用する。
CFMはGEとサフラン・エアクラフト・エンジンズが50%ずつ出資する合弁会社。飛行試験に先立ち、米カリフォルニア州ビクタービルにあるGEアビエーションのフライト・テスト・オペレーションセンターで、エンジンの地上試験と飛行試験の検証を計画している。
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