国と地域でこんなにも違う「一番売れたクルマ」
2021年、世界の国や地域のなかで日本車が新車販売台数ランキングトップだった国は、統計データが確認できるものだけでも40以上に及びます。
いったい、どんな国でどんな日本車が1位となったのでしょうか。
2021年、日本で一番売れたクルマはホンダの軽自動車「N-BOX」でした。
一方、アメリカでもっとも多く売れたクルマは、フォードのピックアップトラック「Fシリーズ」です。
N-BOXとFシリーズは、クルマのサイズも性格も大きく異なるように、世界各国における「もっとも売れるクルマ」には、その国の特徴が色濃く現れます。
また、世界の国々のなかには、日本車が販売台数1位になっている国が少なくありません。
世界でもっともクルマが売れる国である中国も日本車がトップの国のひとつです。
日本ではすでに絶版となった日産「シルフィ」が50万台以上の販売を記録しており、シルフィだけで日産の日本国内販売台数をあっさり抜き去っているというから驚きです。
中東諸国も、日本車が強い地域として知られています。例えば、アラブ首長国連邦(UAE)ではトヨタ「ランドクルーザー」がトップでした。
ほかにもバーレーンやヨルダン、クウェート、レバノン、カタールもランドクルーザーがトップであり、圧倒的な人気を誇っていることがうかがえます。
サウジアラビアは、ランドクルーザーではなくトヨタ「カムリ」が1位という結果でしたが、やはり日本車が優勢なのは変わらないようです。
中国に次ぐ人口世界第2位のインドではスズキ「ワゴンR」がトップにランクインしています。
正確には現地合弁企業であるマルチ・スズキからの販売であり、日本で販売されているものとは仕様が異なりますが、「ワゴンR」の名がインドでも知れ渡っているというのは不思議な感覚です。
スズキは、ほかにもパキスタンとコートジボワールで「アルト」が、ハンガリーでは「ヴィターラ」が販売台数1位となるなど、グローバルでも活躍しているメーカーであることがわかります。
さらに、車種別に見ると、トヨタ「ハイラックス」が販売台数トップの国が多いことがわかります。
例えば、オーストラリアやペルー、南アフリカといった国々のほか、エルサルバドルやグアテマラ、ニューカレドニア、パナマ、ウガンダ、イエメン、マラウィでハイラックスがトップに輝いています。
また、ヨーロッパではドイツなど現地の自動車メーカーの勢力が強いことから、相対的に苦戦が強いられている日本車ですが、エストニア、アイスランド、リトアニア、モルドバといった国々ではトヨタ「RAV4」が販売台数1位となっています。
さらに、ギリシャやマルタではトヨタ「ヤリス」が、フィンランドやラトビア、ポーランドではトヨタ「カローラ」が、そして前述のとおり、ハンガリーではスズキのヴィターラが1位となるなど、日本車勢の健闘が見られます。
日本では乗用車から撤退して久しいいすゞのクルマがトップに輝いている国もあります。
エクアドルやケニア、そしてタイではピックアップトラックの「D-MAX」がトップに輝いており、日本におけるいすゞのイメージを良い意味で覆しています。
ほかにも、日本ではあまり聞き慣れないクルマとしては、インドネシアでトップのトヨタ「ラッシュ」やフィリピンでトップの「ヴィオス」、そしてメキシコでトップの日産「ヴァーサ」があります。
ラッシュはかつて日本でも販売されていた小型SUV、ヴァーサとヴィオスはそれぞれ小型セダンです。
いずれもトヨタや日産のエンブレムが付いているものの、どこか見慣れない感じが新鮮なモデルです。
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