サムスン電子が保有するスーパーコンピュータ2台が世界上位500台のスーパーコンピュータ(TOP500)リストに新たに登載された。これにより韓国のTOP500スーパーコンピュータは7台に増え、保有システム数基準で世界9位(過去順位13位)を記録した。
計算性能基準では82.8PF(ペタフロップス、1PFは1秒に1千兆回の浮動小数点演算を処理できる性能)で、世界6位(過去順位8位)のスーパーコンピューティングパワーを確保することになった。
米国セントルイスで(現地時刻)11月14日から19日まで開かれている「スーパーコンピューティングカンファレンス2021」では、2021年11月基準の世界TOP500スーパーコンピュータのリストが新たに発表された。
今回のアップデートで世界1位から9位までのスーパーコンピュータが過去の順位と変動がない中、11位にはサムスン電子に設置された「SSC-21」システムが登場し、サムスン電子が公式に韓国最高のスーパーコンピュータ保有機関になった。サムスン電子は、人工知能、半導体などの研究のためのコンピューティングパワーを支援するために「SSC-21」システムをサムスン電子総合技術院に最近構築したことが分かった。サムスン電子は今回2台のスーパーコンピュータをTOP500にランクインさせた。
既存の韓国最高性能のスーパーコンピュータだった気象庁の18PF級スーパーコンピュータはTOP500順位で4階段下落となる27位、28位をそれぞれ記録し、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が運営するスパコン「ヌリオン」は13.9PF性能で7階段下落となる38位となった。政府機関が運営するスパコンがランクを落とすなか、民間企業であるサムスン電子のスパコン上位ランクインは話題を呼びそうだ。気象庁やKISTIには韓国メディアなどから日本の「富岳」と比較して批判が出ていた。
その「富岳」は2020年6月以降、世界1位の座を維持している。国別の演算能力基準では米国が986.5PFで1位、日本が628.2PFで2位、中国は530PFで3位だった。韓国は82.2PFで9位だ。
KISTIは2023年まで現在基準では世界1位級となる500PF級国家スーパーコンピュータ6号機を導入する計画を持っている。
韓国経済新聞は16日、富岳の連続世界1位を報じつつ、「ただし、富岳の天下は長続きしない見通しだ」とし、米国と中国が1~2年以内に毎秒100京回の計算速度を有する次世代スーパーコンピュータを開発する可能性があるとの見通しを伝えた。「一方で日本は富岳の後続モデルの開発計画も立てていない」と同紙は指摘している。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「気象庁は予算を浪費している」
「やっぱりサムスンは偉大だな」
「(日本は)スパコンは世界1位なのに、送信はファックスで、保存はフロッピーディスクで、投票は鉛筆でするんだってね」
「富岳の数字が圧倒的なんだが」
「1位の富岳はヤクザ級だな」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
コリア・エコノミクス 2021年11月17日
https://korea-economics.jp/posts/21111703/