「スクラムジェット」と呼ばれる超音速エンジンの開発に向けたJAXA=宇宙航空研究開発機構の小型観測ロケットが、24日朝早く、鹿児島県肝付町の発射場から打ち上げられ、JAXAは打ち上げが成功したと発表しました。
JAXAの小型観測ロケット「S-520ーRD」1号機は、24日午前5時、肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
ロケットは、全長9メートル余り、直径52センチで、打ち上げからおよそ3分半後に、高度168キロに達したあと、機体の上部に搭載した長さ1.8メートルの「スクラムジェット」と呼ばれる超音速エンジンの試験体が切り離されました。
JAXAによりますと、降下中に音速の5倍から6倍以上に達する試験体の燃焼実験などが行われたということで、打ち上げは成功したと発表しました。
「スクラムジェット」は、燃焼に必要な酸素を搭載せず、大気中から取り込むもので、JAXAは、実用化されれば、より多くの貨物を載せることが可能になるため、将来の宇宙船などへの活用が期待されるとしています。
JAXAの谷香一郎超音速燃焼飛行試験チーム長は「想定したデータはすべて得ることができ大変ほっとしている。今回の打ち上げは超音速エンジンの開発に向けた大きな一歩で、さらに技術を前進させたい」と話していました。
一方、今回の打ち上げは、防衛装備庁で採択された研究の一環で、防衛装備庁は「極超音速誘導弾など将来の防衛分野に活用できる成果が期待される」としています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220724/k10013733261000.html