水中ドローン、観測データを10秒で自動回収 光無線通信で世界初
海洋研究開発機構の沢隆雄主任研究員らのチームが、自律型の無人探査機(水中ドローン)を使い、深い海底に設置された観測装置のデータを自動回収することに成功した。光を高速に点滅させてデータを伝送する「光無線通信」技術を利用した、世界で初めての例だという。
実験したのは、相模湾内の水深1420メートルの海底だ。深海では電波も光も届かないので、ふつうの無線通信は使えない。ロボットが専門の沢さんらは、島津製作所製の光無線通信装置を搭載した水中ドローンを開発し、データ回収に挑戦した。
ドローンは長さが4メートルで重さが2トン。運航速度は最大時速5キロで、連続して2日間も使える。ただ、低速度ではフラフラして安定性が悪くなる。そこで海底の観測装置の30~40メートルほど上を、時速3キロほどの一定スピードで通過させ、光無線で通信させたところ、わずか10秒ほどで深海の画像データを回収できた。
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自律型の無人探査機。長さが4メートル、重さが2トンある=海洋研究開発機構提供(朝日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf03bc43970f3eb5ee9046e70cfb8599328e4d07