ロシア産の天然ガスは、もともとウクライナを経由したパイプラインによってヨーロッパに輸出されていた。しかしロシアとウクライナの間で支払いを巡る争いが起き、それを嫌気したロシアとヨーロッパ(特にドイツとフランス)が、双方で納得して建設することになったのが、ノルドストリーム2でありその前計画であるノルドストリームだ。
ドイツはロシアの出方次第ではノルドストリーム2を停止すると警告しているが、それで困るのはむしろドイツの方だ。停止した場合、ドイツ国内の天然ガス価格の高騰は免れず、電力価格も一段と上昇することが想定される。ベーアボック外相という対露強硬派を抱えつつも、ドイツ側はロシアとの問題を複雑にさせたくないというのが内心だと言える。
中央アジアの安定が脱炭素化のカギという事実
フランスもまた、ロシアとの関係改善を模索せざるを得ない。
EUが描く脱炭素化戦略を実現する上で、フランスを中心とする原発推進の流れは欠かせない。これは4月の大統領選の結果で見直されるものでもない。そのフランスの原子力発電が、実はロシアの裏庭とも言える中央アジアの安定を前提としたものであることは、あまり知られていない。
1月24日付のル・モンド誌がユーラトム技術委員会のデータを基に報告しているように、フランスは2020年、原発の燃料になるウランの28.9%をカザフスタンから、そして26.4%をウズベキスタンから輸入した。残りはニジェール(34.7%)とオーストラリア(9.9%)だが、要するにフランスはウランの大半を中央アジアから調達している。
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