北海道新幹線の札幌延伸へ向け、最大の難所となっている羊蹄トンネル(倶知安町―ニセコ町)で、障壁となっていた岩の塊を撤去する工事が完了した。岩のために約1年半ストップしていた掘削作業は、機材の点検を経て、年内の再スタートを目指す。
新函館北斗―札幌の工事区間は212キロ。うち8割の169キロがトンネル(17か所)だ。羊蹄トンネルの比羅夫工区(5・6キロ)では作業が予定より4年遅れ、2030年度末の開業目標実現が危ぶまれている。
遅れの要因は2021年7月に出現した硬い岩の塊。掘り進めていた円筒形の「シールドマシン」では刃が立たず、作業が中断。トンネルの横から小さな別のトンネルを掘り、岩の裏側に回りこんで破砕する工事を22年4月に始め、今年3月3日に撤去が終わった。
建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は10日、読売新聞に工事現場を公開した。土のにおいに満ちたトンネルの最奥部にシールドマシンがあった。行く手を阻んだ岩は、最大4メートルほどの溶岩が複数組み合わさった「岩塊群」だったという。
今後は、硬い岩で傷んだ可能性があるマシンの刃を点検・交換し、年内の再稼働を目指す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230312-OYT1T50044/









