1:蚤の市 ★:2021/11/05(金) 19:20:28.38 ID:ICUYUY8z9
予測と結果にズレ(略)
小選挙区の議席予測
比例代表は予測通りでしたので、ここでは全国289の小選挙区に絞って見てみます。
(略)自民党は、最大でこの程度の議席を獲得する可能性があると予測した「上限」の180議席を上回り、立憲民主党は、最低でも獲得するであろうと予測した「下限」の63議席を下回ったわけです。
各党の議席予測とは
「議席予測」の数字はどうやって出しているのか説明したいと思います。
私たちは、最終的な選挙の結果がどうなるのだろうという視聴者の関心にいち早くこたえるために、各党が獲得するとみられる議席の幅を「予測」として打ち出しています。
その重要な材料となるのが、統計学的な手法を用いて行う投票日当日の出口調査です。投票日当日の出口調査だけでなく、それ以前に期日前投票をした人たちに行う出口調査(こちらは、統計学的な手法をとるのは難しく、投票日当日の出口調査とは完全に区別して扱っています)、各党への取材などを総合的に判断して、最終的な議席の幅を設定しています。
今回、衆院選の投票日10月31日には、全国4万6466か所の投票所のうち、4000か所余りで出口調査を行いました。対象は、およそ53万4000人。そのうち、63点4%にあたる33万8000人余りから回答をいただきました。
小選挙区の当日出口調査を検証
289の小選挙区について、当日の出口調査を改めて見返しました。
自民党の公認候補は277人です。(追加公認された2人を除く)出口調査では、当選圏内は171人、当選圏外は106人と出ていました。
ただ、これを丸ごと、うのみにするわけではありません。出口調査の信頼性は高いものがありますが強弱がひっくり返ることは時折あります。
このため、先ほども記した、期日前投票をした人に行った出口調査などが必要になるわけですが、今回、その期日前投票の出口調査では、全国的に、序盤は与党が優勢でした。しかし、中盤から野党が勢いを持ち、投票日が近づくに連れ、その傾向は強くなっていたように見えました。
こうした状況を念頭に、当選圏内にあった171人のうち、激しい接戦となっていた25人程度は敗れる可能性もあると判断しました。一方で、当選圏外の106人の中でも、9人は勝ち抜く可能性があると見積もりました。
その結果、自民党は、下限を「145」議席、上限を「180」議席という予測を立てたのです。立憲民主党など、ほかの党も同じようにして議席の幅を設定しました。
しかし、開票が進むに連れ、私たちの予測をこえて、自民党が接戦を制して抜け出した分、立憲民主党はその割を食う形で議席を落としていきました。
結局、当日の出口調査では、当選圏内にあったものの敗れる可能性もあると判断した自民党25人程度のうち、20人が当選。しかも、当選圏外の106人の中からも、21人が当選しました。この21人の中には、1位の候補に大きく引き離されていたものの、ひっくり返したケースもありました。
接戦勝ち抜いた候補は接戦を勝ち抜いた自民党候補の選挙区はどういう状況だったのでしょうか。立憲民主党の候補と1対1で争った、典型的な接戦区の一つを見てみます。
この立憲民主党の候補は連携する野党の一本化候補でした。当日の出口調査では、自民党候補がわずかながらリードし、当選圏内に入っていました。しかし、期日前投票の出口調査では、中盤以降、立憲民主党の候補が優位な情勢を保っていましたので、自民党候補は敗れる可能性もあるとみていました。しかし、最後は、5000票以内の差で自民候補が競り勝つ結果となりました。
一方で、選挙戦中盤、自民党に関するこんな情報もありました。投票日5日前に、ある県連で「緊急通知」なる文書が出されたというものです。「多くの陣営で思う通りに組織固めが図られていない。全国的に見ても、対抗馬に追い上げられる大変厳しい状況となっている」として、県内の複数の選挙区を最重点選挙区と位置づけていました。そして、陣営に「これまで培ってきた知識と経験を総動員し、(略)
事前分析に課題
小選挙区での自民党と立憲民主党の候補による接戦。
それを僅差で制した自民党陣営の終盤での追い込みとその見極め。
そうしたものを今回の議席の予測に反映できなかったことが、結果との間にズレが生じた要因となったのではないかと考えています。
期日前投票をする人が増えている中で、出口調査の精度を保つためにはどうするのが最善なのかも含めて、今回は事前の分析に課題が残ったと痛感しています。(略)
NHK 2021年11月5日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/71414.html
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