突如現れた、芸能界の裏側を暴露する男に注目が集まり、はや3月弱が経った。
東谷義和氏が開設したYouTubeチャンネル『ガーシーch【芸能界の裏側】』は、綾野剛や城田優ら有名人たちの知られざる裏側を次々と告発。現在は、当初の勢いに比べると陰りが見えるが、まだまだ“爆弾”を匂わす投稿を続けている。
だが、一部を除けば、メディアの後追いや暴露された芸能人たちへの影響は限定だと感じる方も多いのではないか。実際に、広告代理店やテレビマン、芸能事務所は世紀の暴露チャンネルをどう見ているのか。その声を拾った。
「投稿されている内容や発言は、大半が事実でしょう。すべてが東谷氏の虚言というには明らかに具体的すぎますから」
こう話すのは、あるキー局の社員だ。だが、暴露チャンネルの影響が、制作側にあったかと尋ねると、首を横に振る。テレビマンたちも、当初はある程度、ガーシーチャンネルに注目していたという。ただし、それは仕事ではなく一視聴者としてだ。その上で「明らかにやりすぎですよ」と、冷淡な口調でこう続けた。
「明確な違法行為や逸脱行為があれば別ですが、『あいつは女好き』『あの子は誰と付き合っていた』『こんな場にいた』と話すのは、明らかにルール違反でしょう。芸能界には昔からこういった女衒を生業にする人間はいます。ただし、誰もが線引きはしていたわけです。問題は、今やテレビも人手不足で、素人に毛の生えたような人間も多いことです。あるワイドショー番組の企画会議で、『ガーシーチャンネルの検証』というテーマが上がった時は、さすがに驚きましたね。でも、上の人間にはYouTubeなんて見ないという人もまだいるので、『それ誰や?』となっていましたが」
そして、憶測の域は出ないと前置きしつつ、こう話す。
「あれだけいろんな場所に顔を出していたら、おそらくテレビマンのなかにもガーシーに女性を世話してもらった人間もいるでしょう。特にキャスティングやかつてのドラマ畑あたりはいかにも、という感じがします。現在、一部では訴訟の動きがあり、裁判となると一般的にも表沙汰になるので、その場合はテレビでも取り扱うことはありそうです。ただ、自分たちの保身もあり、ガーシーを本質的に叩くことはないのだろうとはみています」
スポーツ紙や週刊誌も静観するワケ
芸能人の恥部を暴露するという、いかにもスポーツ紙や週刊誌が食いつきそうなネタだが、そちらも予測されたより静観するメディアのほうが多いといえる。なぜなのか。スポーツ紙の芸能担当記者は、次のように話す。
「単純に、まともな記者ほど関わりたくない、というのが本音ではないでしょうか。今は直撃した芸能人や取材先に自分たちの名刺や個人情報を晒される、ということも増えてきています。ネタが欲しいとはいえ、危ない橋は渡りたくないという記者が多い。小林麻耶が市川海老蔵の暴露を始めた際に、各紙取材をしていましたが、ガーシーとの対談がアップされた時に、『これは触れてはいけない2人だ』と判断しました。良くも悪くも、何かに突出しすぎた人間ほど、記事にはしにくいという面はあるんです」
暴露された芸能人たちに関しても、現段階ではキャスティングや仕事に大した影響はないという見方が妥当、と話すのは、大手広告代理店の社員だ。その理由は、グレーな部分が多く、正確なジャッジが難しいということだという。
「今のスポンサーたちの動向は、すべてにおいて『臭いものに蓋』の精神です。グレーなものはクロという。ただし、暴露された芸能人たちに対して、そこまで強い拒絶反応があるかというと、答えは『ノー』でしょう。理由は、“片方だけが言いっ放し”というYouTubeの性質と、ガーシーチャンネルに関しては、それを見た視聴者たちの反応が鈍いという点にあります。
特に金銭的トラブルにより私怨があるというところはポイントで、そこに乗りたくないという反応も業界内ではあります。要は、グレーとの判断でとどまっているということです。新田真剣佑の事務所が訴訟の準備をしているとの報道もありましたが、名誉毀損となれば、事務所側がほぼ勝ちます。裁判所の判断という公式な見解が伴えば、これまで通りの仕事へ、という流れになるでしょう」
一方で、芸能事務所の関係者たちは怒り心頭な様子だ。その理由は、数々の暴露により、実務的な面で影響を被っているからだ。
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https://biz-journal.jp/2022/05/post_295051.html