5年後には「日本製冷蔵庫」が世界を席捲?…「冷やすメカニズム」を根底から変える「磁気冷凍」の凄い技術
7万年前に出現して以来、さんざん地球を痛めつけてきた人類はいま、さまざまなところでしっぺ返しにあい、これまでのやり方の見直しを迫られています。現代ではなくてはならない道具となった冷蔵庫も、その1つ。もう従来の「冷やし方」は許されなくなってきているのです! そして日本には、世界に先駆けて破壊的イノベーションを起こそうと燃えている研究者がいます。<中略>
「もはや代替フロンも撤廃しようというのが、世界的な流れになっています。でも、それに代わる冷媒ガスがなかなか見つからない。冷却能力があっても、価格が高かったり、性質が不安定で10年も経たずに状態が変わってしまったりするんです。いま国内の家庭用冷蔵庫で使われているガスも、微燃性があるのが問題です。日常レベルでは安全基準を満たしてはいるのですが、大量に集めて火をつければ燃えるんです」
そんなガスは使わずに済むなら、そのほうがいいに決まっている。こうして、気体と液体を使う蒸気圧縮とは根本的に原理が異なる方法が議論されるようになった。電気冷蔵庫の誕生から200年が経って、初めてゲームチェンジの機運が生まれてきたのだ。そして考えだされたのが、「固体冷凍」という方法だった。<中略>
磁気冷凍のサイクルには、フロンガスを使わないというほかにも、蒸気圧縮にはない利点があると藤田さんはいう。
「蒸気圧縮のサイクルでは、途中でどうしても気体と液体が混在する状態が生じます。それを圧縮して均等に熱を運ぶようにコントロールするのは難しく、エネルギー効率を犠牲にせざるをえないのです。しかし固体なら、そのような混在が発生しないので、効率を上げることができます」
冷却効率が上がれば省エネにもつながり、環境への負荷はさらに低減される。さらには、こんな利点もある。
「蒸気圧縮で冷媒ガスを圧縮するために必要な装置(コンプレッサー)は、作動中の振動音が小さくありません。その点、磁性体の磁場を変えることは少ない振動で、静かにできます。状況に合わせた温度の微調整も、蒸気圧縮より連続的でスマートにできます」<中略>
「われわれが開発した磁性体は、ランタン・鉄・シリコンを組み合わせたものです。ランタンは産出量が少ない希土類ですが、構成元素のおよそ9割は鉄なので、コストや供給の面での問題はありません。そして鉄は人体の構成要素でもあるので、安全です」
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https://gendai.media/articles/-/106193
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