暗号資産(仮想通貨)ビットコインの急落は、世界中の仮想通貨投資家に打撃を与えている。中米エルサルバドルのリスクは特に高い。債務国である同国では、大統領が何億ドルもの公的資金を使ってビットコインを購入し、法定通貨として流通させている。
政府高官によると、同国がビットコインの値上がりに賭けて計画していた10億ドル(約1300億円)規模のエキゾチックボンドの発行は行き詰まり、保有する1億ドル相当のビットコインの市場価値は約3分の2に落ち込んだ。これにより同国の財政は一段と逼迫(ひっぱく)し、エコノミストによれば、240億ドルを超える公的債務がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高まった。
ナジブ・ブケレ大統領が率いる政権は債務返済を約束している。デフォルトとなれば、大統領の再選が危ぶまれるため、カルロス・アセベド元中銀総裁は「政府はそうした事態を回避するため、全力を尽くすだろう」と述べた。
デフォルトを回避するには、原油などの輸入代金や来年1月に予定される8億ドルの債券の元利返済のため交換可能通貨が必要となる。経済が混乱すれば、米国への移住の新たな波を引き起こす恐れがある。エルサルバドル人の4人に1人は国外に居住しており、その大半は米国にいる。エルサルバドルでは、10ドルの収入のうち約3ドルが送金によるものだ。
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