パリ五輪第13日 アーティスティックススイミング ( 2024年8月7日 アクアティクスセンター )
7日のチーム・アクロバティックルーティン(AR)で、日本(比嘉、木島、小林、佐藤、島田、和田、安永、吉田)は252・7533点の7位に低迷。5日のテクニカル・ルーティン(TR)、6日のフリールーティン(FR)との合計は880・6841点で5位に終わった。FR終了時の4位から順位を落として終戦。銅メダルを獲得した16年リオ五輪以来2大会ぶりの表彰台を逃し、21年東京五輪の4位からも順位を下げた。
新ルールに翻弄(ほんろう)された1年半だった。世界水連は「序列がある」「分かりにくい」などの批判があった従来の主観的な採点方式から脱却する狙いで、23年から新ルールを採用。実施する技と順序を記入した用紙(コーチカード)を事前に提出し、技が認定されなければベースマーク(最低評価)となり大減点を受ける方式となった。
新ルール作成は手探りの状態が続き、国際大会ごとに微調整される状況が続いた。世界水連のルール作成メンバーに人材を輩出する米国、スペイン、中国に比べ、情報量の少ない日本やメキシコは不利な立場となり、大会直前にルール変更を知らされることも多かった。日本が今大会からコーチカードの提出締め切り時間が変更されたことを知ったのは競技開始前日。リフトの土台作りの規制に対する解釈が変わっているなど不可解な点もあった。
結果的に金が中国、銀が米国、銅がスペインと、ルール作りを主導した3カ国が表彰台を独占。中島貴子監督は「新ルールに関する情報量が少なく、迷いながらやっているところはあった。ワールドアクア(世界水連)にはいろいろと思うところがある。抗議文を提出しようかと思うぐらい」とこぼし「選手は心も体もギリギリのところでやり切ってくれた」と最後まで諦めずに3日間を戦い抜いた選手をねぎらった。
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2024/08/08/kiji/20240808s00065000088000c.html