土地建物を自主管理している大家です。こちらの引用の入居者様がお亡くなりになり、その後の処理を進める中で、残されたお部屋の収納の奥から身元不明の御遺骨(本骨と胴骨)がでてきて、大変困りました。後悔の記録。 https://t.co/NFAu8inLsm
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
まず、引用ツリーでは触れていなかったのだけれど、今年1月に一瞬入居者様(おっちゃん)がご帰宅されたタイミングがありました。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
その際に僕は大家業の仕事の中で一番嫌な仕事をした。つまり、「賃借人死亡時に退去とし、残置物も放棄する」旨の退去届を預かった。
当日は大変気が重かったのだけれど、入居者様は「病院まで何度も来てもらって助かりました」「(亡くなった時は)迷惑かけるけど宜しく頼みます」と署名してくれた。足がかなり痛むようだったけれど、思っていたよりはお元気で、もう少しで退院できるのではとも思った。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
先にお伝えしておくと、この入居者様はもともと仕事熱心な方だったのだが、ご持病で生活保護をうけていた。そして、親族はもういない、と聞いていた。(ちなみに保証会社にも入っていない。滞納は一切なし。きっちりされた方)
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
で、先程の引リツの日。病院の相談員の方から「よくない話なんですけど」とお電話をいただいた。「ご親族ではない方に、あまり伝えるべきではないのですが、大家の◯◯さん(僕)には早めにお伝えしようと思って」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
足を切る手術の前日に急に容態が悪くなって、お亡くなりになった。そうか、、、。
前述の退去届を預かっていたからといって、問題は全く簡単ではない。特に残置物は賃借人が所有権放棄していても、相続人に相続されるので、全相続人の意思確認が必要。通常だったら、親族を特定して、連絡を試みて誰が死亡届を出すかで揉めて(死亡届を出さないと法律的には死亡していない。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
経験上大家になりがち)、火葬して、並行して本籍しらべて、相続人を特定して、という仕事があるが、今回は生活保護者だったので役所がある程度担ってくれる。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
役所からの連絡を待つこと1ヶ月。(その間、部屋はそのまま。ゴミも冷蔵庫の中身も部屋にそのままにしておくしかない) 3月上旬に連絡があった
相続人は1名、曰く
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
「一切関知しない、相続しない」「そっちで勝手にやって。賃貸契約は終了、残置物勝手に撤去して」「もう連絡してくるな」
という感じだったらしい。困った。書面はまずもらえない。相続財産管理人の選任申立ては予納金30万くらい、下手したら1年くらいかかる。コストと時間、、、。
再度、役所の担当者に相談したら「先方の様子的に、大家さん側で処分していただいてもいいと思います。」「本人様も同意されていることですし」との見解をもらう。そこで3月xx日相談残置物を保管すること、それ以降に処分することを、を相続人に伝えてもらうことにした。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
(この部分の判断についてはすみません。適切ではないかもしれません。)
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
そして、xx日になって、1時間かけて貴重品等は無いことを確認し、ひたすら写真に記録したあと、業者さんに事情を説明して残置物を撤去してもらった⋯⋯。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
業者「すみません、さすがにこれは回収できません」
収納の奥から身元不明の御遺骨(本骨と胴骨)がでてきたのだ。大きい胴骨箱と小さな本骨箱。
ない、ない、ない。。。。別で保管していた書類はノートなどばかりで、ない。「死体埋葬・火葬許可証」が、ない。ご位牌などもなく、誰のものかもわからない。いつのものかもわからない。これはマジでやばい。遺骨は祭祀財産だ。(法定相続とは別枠
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
「(おっちゃん、それは聞いてないよ⋯⋯)」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
撤収する業者。部屋中央にぽつんと残る、本骨箱と胴骨箱。手を合わせる。どなたのものなのか。。。
そして記録を残しておくため、バチがあたるかもと思いながら写真を撮る。時間を記録する。
まず、地元の警察に電話。若そうな方がでてきたので、今までの経緯を説明。すると「お部屋の中ですし、拾得物でもないんでー。大家さん側でなんとかしてくださいー」 マジか。(連絡した記録を残す
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
役所に電話。
僕「ご遺骨が発見されました、こればっかりは相続人様にもう一度連絡してください!!」
役「わかりました。でも恐らく難しいと思います。また連絡します。」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
(数日後) 役所「全くダメでした。」
僕「⋯⋯御遺骨、どうしたらいいでしょうか」
役所「⋯⋯大家さん側でなんとかしていただくしか。こちらではなんとも。」
これは完全にまずい。お部屋にそのままにはしておけない。
(誰のものかわからないが、おっちゃんの親族、大切なひとのものなんだろう。ご両親か。箱の新しさからご兄弟か)
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
生活保護者で身寄りがない場合、ご遺骨は1年斎場に保管されて、その後、地元で有名な寺Aに納骨されるらしい。「納骨するなら同じ寺にしてあげたい」
寺Aに電話してみる。おじさんがでる。
寺A「胴骨は無理」「今は3寸 9cmくらいの本骨箱のみ」「え、身元わからない?え、死体埋葬・火葬許可証がない?そんなの、まずどこも受け入れられないよ。無理」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
僕「⋯⋯。」
そこからひたすらネットで「無縁遺骨、納骨、引取り」で調べて電話しまくる。
が、全て「死体埋葬火葬許可証がないと無理」
13件くらい電話をかけて、諦めた。いや、諦めたというか、大きな寺やネットに綺麗なwebがあるようなお寺はそもそも無理だと思った。地元に根付く、小さなお寺を、足で探すべきだろうと思った。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
そして、昨日、朝からgoogle mapを頼りに、近隣の寺をまわる。1件目、受け入れていない。2件目、
許可証ないと後々トラブルになるから無理。3件目、住職不在。1日では見つかるわけないか。もう昼過ぎ。4件目、インターホンを押す。女性の返答。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
住職の奥様らしき人がでてくる。
「どうされました?」
今までの経緯をすべて話す。警察や役所に相談しても難しかったこと。埋葬許可証がないこと。
なんとか納骨、供養してあげたいこと。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
奥様「うちは無縁さん、5万円かかりますけれど」
僕「(!!!)お願い致します」
奥様がご住職を呼んで説明する
住職「それはお気の毒に。。大変ですね。今回はもう1万円のみいただけたら、寺の中央の無縁さんのところに納骨させていただきますよ」
僕「ありがとうございます」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
住職「1時間後、14時に持ってきていただけますか」
僕「ありがとうございます」
有難い。急いで物件に戻り、紙袋に御遺骨をいれて、引き返す。袈裟に着替えた住職がでてきてくれた。無縁墓に向かう。
住職がお墓を道具をつかってあけていく。遺骨は横の台におかせてもらう pic.twitter.com/aGkt2BlPvB
住職「本骨と胴骨、一緒にして大丈夫ですか。」
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
僕「はい」
住職が胴骨箱から収骨袋を出す。
住職「これ下から支えるようにして持ってください」
僕「はい」
そのときの胴骨収骨袋の、御遺骨を支える手の感触。なんとも言えない。そのお寺が浄土真宗だったので、南無阿弥陀仏と唱えながら持っていた。
住職が本骨を胴骨の収骨袋におさめる。全部はいった。住職に収骨袋を手渡す。その時、胴骨箱内側の一番底に折られた紙が見えた。まさか。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
死体埋葬・火葬許可証だった。
ごめんなさいごめんなさいごめんない。信じられない。ここにあったのか。ごめんなさい。内容を確認すると入居者様の2つ上の姉だった。13年前に亡くなっていた。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
弟と一緒の寺Aに本骨だけでも納めることができたのに、、、別々にしてしまった、、それまで「身元不明の御遺骨」だったのが
どなたのものかわかると、重い罪悪感で苦しくなってきた。取り返しのつかないことをしてしまった。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
お姉さん、おっちゃん、許してくれ⋯⋯。住職の御経、ご焼香をする。手を合わせる。
失敗した気がする。適切でもなかった気がする。今回ばかりはバチが当たらないようにと祈るしかない。おわり。
壮絶な記録ですね…。亡くなられた方もここまでやってもらったらさぞ満足してるでしょうね。
— きなこ (@The_New_RRSport) April 9, 2025
そうだといいのですが。建物管理者としてもう少し頭がまわっていたら、こうはならなかっただろうとも思います。なかなか難しいですね。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
大変ご苦労様でした……としか言いようがない
— MA108P(マトバ)@退院しました (@MA108P) April 9, 2025
想像を絶する苦労があったでしょうに、そこまで尽くされたなら故人も仏様もお赦しなるでしょう
人は完璧ではないのだから
ありがとうございます。良い面ばかり書いてしまった気もしますが、仕事、事業のためでもあります。ただ、もし本骨と胴骨を一緒にしてしまう前に、許可証に気づいていたら、、、というあの一瞬が悔やまれます。(分骨の是非は置いといて
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
不動産業従事者として大変興味深く読ませていただきました
— デヴちん (@dave32mac) April 9, 2025
最後は残念でしたがおっちゃんもお姉さんも感謝してらっしゃると思います
本当に困っている人に手をさしのべるお寺さんも素晴らしい
ありがとうございます。そうだといいのですが。
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
はい。お寺さんに救われました。ご住職は骨壺から出てきた火葬許可証の名前を読み上げ、20分御経をあげてくれたんです。ありがたかった。
非難するつもりは毛頭ないのですが、埋葬許可書が出てきた段階で儀式を中止して手戻りすることはできなかったのですか?
— ほらっちょ (@hifik) April 9, 2025
胴骨と本骨を一緒にして、住職に手渡した直後に許可証に気づいたんです。仰るようにもう少し早く気づけていたら、本骨だけ寺Aで納骨できたはず。言葉足らずでしたが、その瞬間の無念さは大きかったです。もちろん、取り出して…というようなこともできなくはなかったですが、それも違う感じがしました.
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025
同じ星の上だしそんなに気にせんでもいいと思うよ。たぶんお天道様だってほぼ同じ場所って言うよ。
— いくしい (@eaxae) April 9, 2025
すべて読ませていただきました。一連の手続きから供養までお疲れ様です。
— うめ柴 (@9WjD9deLMqYkuFq) April 9, 2025
自分が亡くなられた男性の立場であれば、ここまでして姉弟共に供養してもらって感謝しかないと思います。きっと今頃は御姉さんとお二人再会されておられるはずですよ。
お疲れ様でした。
— QB狐@佐世保room1 (@AZUR_QBFox) April 9, 2025
大丈夫ですよ。
骨は離れても、行き着く先は同じところですから。
しっかりと供養してもらえた事で、2人とも同じところに行けたと思います。
補足です。一番神々しかったのはご住職。僕の話をそのまま聞いて、本当にすっと、受け入れてくださった。その時点では誰の遺骨なのかも分からず、許可証もないのに。拝む気持ちになった。(おまけに最後やはり1万円では悪すぎると思い、お札数枚を手渡そうとしたら「いや1万円で結構」と言われた。 https://t.co/iU2Myf9MBP
— Keitom土地が好き (@keitom) April 9, 2025