壊血病
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
ビタミンC欠乏により発症する、大航海時代の西洋の船乗り達がよく罹患した病気だ
だが西洋だけでなく江戸期日本でも、新鮮な野菜が不足する蝦夷地警備の武士達が罹患し、尊い犠牲が出た
幕末になると対策としてコーヒーが支給された
コーヒーにはビタミンCは含まれていないが、なぜか効いた pic.twitter.com/MhRi9YcHhP
彼らは米、味噌、沢庵、漬物など新鮮な野菜以外は本土と変わらない食事を取っていたが、ビタミンは足りなかった
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
ビタミン不足を補う大根が支給されることもあったが、全員には行き渡る量ではない
そもそも極寒の蝦夷地
知識もノウハウもない彼らは壊血病や浮腫病にやられ、壊滅する隊もあった
だがオランダから入ってくる書物には「コーヒーが効く!」と書かれていた
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
だがそれはコーヒーが万病に効くと信じられていた150年前の誇大宣伝。無論効かない
既に西洋では柑橘系が効くことが知られていた
しかし、オランダは商機を感じた
当時オランダは、インドネシアでコーヒーを作っていたからだ pic.twitter.com/wdgOmMFfhM
こうして導入されたコーヒーは1855年の津軽藩の宗谷警備に導入された
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
日本の一般庶民としては初めて口にするものだ
とはいえ通常状態で淹れられたコーヒーであれば、いくら飲んでも、津軽藩兵に不足しているビタミンACEを補うことはできない……はずだった
だが、偶然に偶然が重なり効いた
燃料の乏しい中で彼らが淹れたコーヒーは浅煎りだったと想像される
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
その条件下のコーヒーにはビタミンA,C,Eとの相乗効果を起こす物質が十分含まれるため、薬理学的にはそれが効いた可能性があるらしい
偶然に偶然が重なり、彼らはコーヒーによって救われたのだ#にいがたさくらの小話 その389改
画像出典
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 6, 2025
稚内市HPhttps://t.co/5XZsdyYGfL
wikipedhiahttps://t.co/NhCPHwnLCI
参考文献
岡 希太郎, 珈琲一杯の薬理学 壊血病と浮腫病の歴史に見るコーヒーとビタミンの関係, 薬史学雑誌, 2016, 51 巻, 1 号, p. 5-10,https://t.co/i8QLc2Xhv1
天明の蝦夷地から幕末の宗谷…
風雲児たち、という歴史漫画で江戸時代、病床の友人に『良く効く薬』として煎じたコーヒーを渡す場面があり、不思議でしたが謎が解けました。(勿論、身分の高い人の話です)
— 葦野 (@belltraveler) March 7, 2025
17世紀のヨーロッパでは何にでも効く薬として飲まれていたのがちょっと面白いですよね
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 7, 2025
19世紀のコカ・コーラとかも当初は同じように薬扱いでしたし
へー、ビタミンその物ではなく、その働きを助ける物質が補給できたわけですね
— あざらし船長@通関士試験解説 (@captainumihyo) March 7, 2025
理解するのも説明するのもなかなか難しいんですが、何故彼らが浮腫病壊血病にならなかったかの理由を説明するのに2000年頃の知見が出てくるのが面白いなぁと思いました
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 7, 2025
詳しくは参考文献をご参照ください
へーおもしろいですね。いろんな偶然が重なって薬理効果が現れるなんて奇跡ですな。
— びいと07 (@3KTTIR54emJ6Z1x) March 7, 2025
コーヒーは何でも効く!みたいな胡散臭い話を信じて支給して、初めて飲む藩兵たちがよくわからんまま煎ったら薬理効果が現れるのは相当珍しいですよね
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 7, 2025
実際この回は浮腫病壊血病での死者は居なかったみたいです
コーヒー豆の石像なんてものがあるんだねぇ
— こういちReLU🍥 (@Kouichi75785996) March 7, 2025
稚内市にあります
— にいがたさくら@小話する人 (@monkey_across) March 7, 2025
>オランダから入ってくる書物には「コーヒーが効く!」と書かれていた
— Mtodo fully pfizered! 酒のつまみに年中「おせち料理」を (@Mtodo) March 7, 2025
>だがそれはコーヒーが万病に効くと信じられていた150年前の誇大宣伝。無論効かない
>しかし、オランダは商機を感じた
>当時オランダは、インドネシアでコーヒーを作っていたからだ
これぞ、Dutchと言われる所以。
大航海時代より
— mimi Tibetan 4747 (@mimiyawata1438) March 7, 2025
「最も高い通行税」
として恐れられてきたのが壊血病…
レモン果汁の摂取で壊血病予防の先進と言われる英国海軍でも、1845年の北極探検のフランクリン遠征隊が壊滅しています(長期越冬による持参していたレモン果汁の効力失効によるものと言われる)…https://t.co/pC6XRi7FgQ
この一連の話を見て思ったのですが、
— コークロッジ@転生2024 (@CokeRe2024) March 8, 2025
浅煎りコーヒーによる相乗効果での可能性の示唆に加えての、
現地で生きていく上での採取可能な食料の一部としての
薬草や山菜、樹の実などの摂取も併せる事で
より効率的なビタミン類の摂取と
維持に繋がったのかもしれないと想像しました。
ゴールドラッシュ時代のカリフォルニアも本来野菜や果物が乏しい地域だったため壊血病が流行しましたが、ポケットに一個レモンを入れておき時々齧ると病気を防げることが経験によって広まりました。不向きな地質のこの地で柑橘類の栽培が進んだのもこれが由来だとか。
— 山岸八馬星 (@Yamahoshi_Y) March 7, 2025