1:名無しさん


さてベネズエラの件ですが、すばり原油の質の差です。今世界はガソリンは余りまくっている反面、軽油は逼迫しています。製油所からすると今、軽油はガソリンより2倍の価値で売れます。ガソリンはこれ以上作るとマーケットが壊れるので増やしたくないわけです。ただ以前説明したように、原油は連産品なのでガソリン40、軽油30、LPG10、重質分20のように精製され、どんな原油でも100:0でガソリンなり軽油なりを生産できるわけではありません。今世界にガソリンが多く取れる所謂軽質原油は余りまくってる一方、中質、重質原油は全く足りていません。特にアメリカ周りが顕著でもう軽質原油は使えないのに軽質しかないわけです。ついついOPEC減産等で世界需給の数字ばかり話題になりますが、今の問題はそこではなく質なのです。ベネズエラの原油は超重質のみでアメリカが今喉から手が出るほど必要としている原油なわけです。バイデン政権からしてもベネズエラの制裁を解除して選挙を前にして原油価格とディーゼル価格が下がれば御の字と考えてる背景がここにあります。しかし制裁解除の直後にマドロが血迷ったような動きをガイアナにしてアメリカからすると頭が痛いわけです。
ガイアナーベネズエラ問題は別でツイートします!

 

さて昨日のベネズエラの話の続き。そんな制裁解除をされたベネズエラはあろうことか急にガイアナの領土を主張し始めました。その背景にはガイアナがここ5年で原油生産量0から一気に600kbdの立派な産油国になったことがあり、マドロはその原油を強奪したいわけです(歴史的には領土問題をしているものの、ここ数十年は音沙汰なしでした)。ここでまたアメリカが出てきます。何故ならそのガイアナの原油生産のほとんどがエクソンとHESSによるもので、HESSはChevronに買収合意されているため、ガイアナの原油はまさにアメリカの原油なのです。

エクソンはホワイトハウスに激しくロビー活動をしてますが、複雑なのはChevronです。なぜならChevronは外資で唯一ベネズエラで原油生産をしている(させてもらっている)企業でマドロの顔色も伺わないといけないからです笑 したがって内心呆れてるでしょうが、表立ってそれも言えない立場にあります。ホワイトハウスもせっかく制裁解除してベネズエラ原油価格も生産も上がってきたのに、理解不能な状況だと思います。ただそんな背景もありマドロ側も選挙対策だったりそこまで本気ではないのでは、といったように個人的には思いますが今後の動きに要注視ですね。