1月25日、不動産経済研究所の「2021年の首都圏新築分譲マンション市場動向」が発表され、2021年に首都圏で発売された新築マンションの平均価格が6260万円になったことが明らかにされた。1973年に同社の調査が始まって以来の最高額であり、新築マンションの価格は、バブル期の1990年に記録した6123万円を超えたことになる。
そうなると「こんなに高い新築マンションは、もう買えない」との声も出てくる。が、2021年に首都圏で契約された新築マンションの総数をみると、コロナ禍以前の2019年を上回る3万5693戸となっており、新築マンションは売れていることになる。
バブル期よりも値上がりしているのに、売れ行き好調……理解しにくい状況が生じているわけだ。<中略>
不動産経済研究所の発表によると、首都圏新築マンションの平均価格は、バブル期の1990年が6123万円だったのに対し、コロナショック期の2021年は6260万円。今はバブル期を上回る価格水準になっている。
一方で、2つの時期は住宅ローンの金利事情も大きく異なる。
フラット35(バブル期は住宅金融公庫融資)の金利でみると、1990年が4.95%~5.5%であったのに対して、2021年は1.28%~1.37%。今はバブル期を大きく下回る水準となっている。
また、1990年当時は、多くの人が、住宅金融公庫融資の固定金利ローンを利用していたのに対し、現在の主流は、民間金融機関による変動金利の住宅ローン。そちらはさらに金利が低く、優遇金利適用後の最も低いケースで0.35%程度の超低金利となっている。
金利が低ければ、毎月のローン返済額は下がる。
1990年に当時の平均価格6123万円のマンションを頭金1割、残り9割を住宅金融公庫融資利用で購入した場合、35年返済・ボーナス併用なしで毎月の返済額は29万6000円となった。
では、2021年の平均価格6260万円のマンションを、上記同条件でフラット35利用(固定金利)により購入した場合は、どうだろう。
こちらは、毎月の返済額が16万9000円ほどになり、毎月の返済額はバブル期より12万円以上も下がることになる。
さらに、民間金融機関の変動金利・優遇金利適用による0.35%で購入した場合は、毎月の返済額が14万3000円程度となる。これは、バブル期の半分以下の返済額だ。
新築マンション価格がバブル期を超えたことばかりにスポットライトが当たっているが、それを購入したときの住宅ローン返済額は、バブル期よりも大幅に軽減されているのだ。
「超低金利のおかげで高額マンションが売れている」とされる理由が、大いに納得できる分析である。
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https://news.yahoo.co.jp/byline/sakuraiyukio/20220128-00279045
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