6月16日午前9時ごろ、江原道江陵市(カンウォンド・カンヌンシ)の注文津(チュムンジン)沖で大型のクロマグロが定置網にかかり捕獲された。この日捕えられたマグロの重さは160キログラム、。当時漁民も成人の身長より大きいマグロに大きく驚いたという。東海岸では数年前からマグロが捕えられたがほとんどは5~6キログラムにすぎなかったためだ。
亜熱帯性魚類であるマグロは一定の生息地をもたず周期的に移動する。主に太平洋の温帯・熱帯海域で見ることができる。だが最近の地球温暖化による水温上昇などにより韓国東海岸でよく見られるようになった。大きさもますます大きくなっている。
江陵地域で定置網漁業をするキム・チョルゴンさんは「数年前からマグロが捕えられ始め、昨年から1日に少なくて5トン、多いと20トンが網にかかった。韓半島(朝鮮半島)海域の水温上昇の影響で地域の主要魚種がこの数年で大きく変わった」と話した。
韓国国立水産科学院によると、1968年から2022年の55年間の韓国海域の年平均表層水温上昇率は約1.36度だった。同じ期間に地球の平均上昇率は0.52度だった。韓国近海の海水温が2倍以上上昇したことになる。三面を海に囲まれた韓半島の水温変化が世界的に最も急激だ。
◇マグロを網ごと海に捨てる漁民
海域別の表層水温上昇率は東海岸が1.82度、西海岸が1.19度、南海岸が1.07度で東海岸が最も高かった。国立水産科学院は東海岸で相対的に高い表層水温上昇率が現れた原因として、東海中部海域と東海南部海域の間に存在する水温極前線が北上したことを挙げる。また、東海域に熱を運ぶ対馬暖流の強さが1980年代以降強くなったことにも注目している。
水温上昇で魚類資源が変わり漁村がパニックになっている。昨年6月、慶尚北道盈徳郡(キョンサンブクド・ヨンドクグン)遠海。網に大人の腕より大きいマグロ数千匹がかかった。ちょっと見には運のいい漁船1隻が豊漁を迎えた姿のようだったが、よく見ると漁民は網を持ち上げて大量のマグロを海に捨てていた。マグロはすべて死んだ状態だった。
漁民が1匹数十万ウォンの値をつけるマグロを海に捨てるのは漁獲クォータ(割当量)のためだ。一部魚種は漁資源保護国際協約に基づき漁獲できる量が決まっており、絶滅危惧種に分類されたマグロも国ごとにクォータがある。<中略>
◇政府の消極的対応に…漁民「現実的代案必要」
実際に昨年7月28日に慶尚北道盈徳郡の海水浴場で死んだマグロ1000匹余りが発見されたりもした。このマグロは盈徳地域の漁民が捨てたものだった。当時バカンスシーズンを迎えて海水浴場を訪れた観光客はマグロが腐敗した悪臭に苦しめられた。
チェ会長は「定置網漁船の特性上マグロだけ除いて他の魚種だけ捕まれるのは不可能。現実に合わせてクォータを定め、死んだマグロを活用できる案を用意するなり代案を用意してほしい」とした。
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