呼吸不全患者に腸を通じて酸素を補充する「腸呼吸」の治験を、東京医科歯科大発のベンチャー企業が始めたことがわかった。新型コロナウイルス感染などの呼吸不全患者に対し、一時的な症状改善策として使える可能性がある。腸呼吸の治験は世界初で、安全性や有効性が確認できれば、2025年に腸に酸素を投与する医療機器として承認申請し、26年中の実用化を目指すという。
治験を始めたのは、武部貴則・同大教授(幹細胞生物学)が創業した「EVAセラピューティクス」(大阪)。酸素を多く含ませられる液体「パーフルオロカーボン(PFC)」約500ミリ・リットルを肛門に差し込んだチューブから腸内に投与し、血中に酸素を補充できるかを確認する。約1時間後に抜き取る。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230128-OYT1T50150/