北海道旭川市のJR旭川駅前の商業ビル「マルカツデパート」のテナント約20店舗が5日、一斉に退去する事態になった。ビルは老朽化などで今月末に閉店予定だったが、ビル運営会社の電気料金未納のため6日午前9時半に電気が止まることになり、営業を断念せざるを得なくなった。
運営会社の社長が9月下旬に詐欺未遂容疑で道警に逮捕された後、北海道電力ネットワーク旭川支店からテナント側に送電停止の通告があった。テナント関係者は「清掃会社への支払いも長く滞納していたようで、ビルの裏はごみの山になっている」と明かす。
ビルは地上7階、地下1階で、1~5階に衣料品や雑貨など約20店が残り、閉店セールをしていた。電気が止まれば照明やエレベーターだけでなく、従業員用の自動ドアも使えなくなるため、各店は4日、急きょ退去することを決めた。
5階で35年近く喫茶店を営む女性は「閉店は時代の流れで仕方がないが、こんな終わり方はあまりに残念だ」と話していた。(奈良山雅俊)
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