現代人は、役立たないものを無駄だと考え、切り捨ててしまいがちだ。果たして本当に無駄なのだろうか。生き物たちの世界に目を向けてみると、一見役立ちそうもないものも、とらえ方次第で、重要な意味や新しい価値があるということを教えてくれる。〈中略〉
北海道大の長谷川英祐准教授(進化生物学)が日本全国にいる「シワクシケアリ」を観察したところ、全体の2割程度の働きアリで仕事をしているそぶりが見られなかった。さらに、コンピューターを使って、働きアリが一斉に働くコロニー(集団)と、働かないアリが一定程度いるコロニーを仮想して比較すると、働かないアリがいる方が、やや長く存続することがわかったという。
一斉に働くと短期的には仕事の効率はいいが、やがて皆疲れて動けなくなる。卵の世話など中断できない仕事が滞って、コロニー全体の維持に影響する。働かないアリがいれば、疲れて休んでいるアリに代わって働ける。長谷川さんは、働かないアリは緊急事態に出動する「待機要員」と推測、「目先の効率だけを追い求めすぎると、その集団は早く滅ぶ」と指摘する。
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