ウクライナに展開するロシア軍の車両に白いスプレー塗料で記された「Zマーク」が、議論を呼んでいる。
ともに旧ソ連構成国のロシアとウクライナで兵器が一部共通する中、「友軍への誤射を避けるため」(米紙ワシントン・ポスト)という見方が有力。マークの存在は、ウクライナ軍によって撃破された車両からも分かる。
マークは戦車やヘリコプターにも付けられている。「Z」「V」「O」といったバリエーションがあり、所属部隊を示すという説も。ただ、関係者は「Zマークの意味は機密事項」(ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力の元幹部)と証言しており、真相は闇の中だ。
2014年のウクライナ南部クリミア半島併合に当たっては、記章のない部隊が「自警団」と称して活動した。今回はZマークが国内外でロシア軍の象徴となっている。
注目が集まる中、ロシア国防省はプーチン大統領が正当化する「軍事作戦」のPRに利用。公式インスタグラムで「勝利のために」のロシア語に含まれる「Z」、「任務は完了する」に含まれる「V」だと説明したが、後付けではないかとみられている。
このほか、プーチン氏が「ファシスト」と呼んで敵視するウクライナのウォロディミル(V)・オレクサンドロビッチ(O)・ゼレンスキー(Z)大統領のイニシャルという説を、ロシアの軍事専門家が唱えた。ゼレンスキー氏は、自身が「敵の一番の標的」と認めている。
ロシア国営メディアが配信した写真によれば、国内にはZマークとともに「仲間を見捨てない」と記した政権支持の看板が登場した。
時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcfeb78ad7d22eb4255e98e4d99cc0d7ae79e4e4
画像 ウクライナで破壊されたZマーク付きのロシア軍の車両=2月28日、ハリコフ(AFP時事)