米国パーミアン盆地内の天然ガスハブであるワハハブの天然ガス価格が、10月25日に100万英熱量単位(MMBtu)当たりマイナス2.25ドルまで下落した。複数の米国メディアが報じた。同盆地は、テキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。
ワハハブの価格下落の要因として、同盆地の旺盛な生産が、消費地へ送るためのパイプライン輸送網を圧倒し、引き取りの制約と衝突したことが挙げられている。また、米国の石油ガスパイプライン輸送大手キンダー・モーガンのパイプラインでは10月下旬からメンテナンスを実施しており、テキサス州のフリーポートLNG(液化天然ガス、FLNG)の火災事故による同施設の長期稼働停止の影響により、パーミアン盆地からFLNGまで天然ガスをパイプライン輸送できない点も要因に挙げられている(オイルガスジャーナル10月26日)。FLNGは11月に一部操業再開、2023年3月に完全稼働を目指すと発表している(2022年8月24日記事参照)。
なお、米国ヘンリーハブ・スポット価格(天然ガス先物価格)の平均が100万英熱量単位(MMBtu)当たり5ドル台で推移、欧州の天然ガス先物価格も25ドル以上で推移しており、今回の大幅な価格下落はワハハブのものに特有であることが分かる。
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