2022年はパチンコホールの倒産が前年の2.1倍増の39件に急増した。過去10年間で最多を記録した背景には、長引くコロナ禍や5号機の完全撤去、6号機への入替え負担が重くのしかかった。2022年11月には起爆剤と期待されたスマートパチスロ(スマスロ)が導入され、未導入店との差別化を図っているが、新規客は目論見通りに増えていない。<中略>
期待通りに伸びないスマスロ
一方で、資金力の乏しい小・零細規模のホールでは、投資負担の重いスマスロ導入には二の足を踏んだ。スマスロは稼働したばかりで判断は時期尚早だが、ホール関係者によると、スマスロ導入店に顧客が流入し、年末年始のかきいれ時の売上には差が出たという。ただ、期待したほどの効果はなかったとのホールの声が多い。
首都圏で導入したホールの担当者によると、「(スマスロの)稼働当初は、想定以上の売上が上がった」としたが、「射幸性が高まった分、顧客の資金的な負担も重く、年明け以降は稼働率や売上に陰りが見え始めた」という。「店内のパチンコ利用客がスマスロに流れるケースが多い。スロットは売上増で、パチンコが減少。全体の売上は期待した水準に達していない」(同担当者)と分析する。スマスロでも機種によって、稼働や売上が大きく異なる。2023年は台数確保の段階からシビアな機種選びが加速しそうだ。
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