栃木県那須町の「那須サファリパーク」で2022年1月に飼育員3人がトラに襲われ負傷した事故で、県警は2日、トラの管理を怠ったとして、業務上過失傷害容疑で同園の葛原直人支配人(48)ら当時の飼育担当者計6人を書類送検した。けがをした飼育員2人も含まれている。捜査関係者への取材で分かった。
22年1月5日、開園前の午前8時20分ごろ、女性飼育員が雄のベンガルトラ「ボルタ」に襲われて大けがをし、救助に駆け付けた飼育員2人も負傷した。県などによると、トラは柵のある獣舎ではなく、展示スペースに向かう通路にいて、飼育員と鉢合わせしたとみられる。
6人の書類送検容疑は、それぞれの立場においてトラの管理義務を怠り、3人負傷の事故を起こした疑い。
園が県に提出した報告書によると、事故前日の閉園後、トラを獣舎に入れる作業を2人体制ではなく1人で行い、入ったかどうかの確認も不十分だった。当日朝も、通路に入る前にトラの所在を確認していないなど、マニュアルに沿った行動が徹底されていなかった。
葛原支配人は飼育管理の責任者。同園は「書類送検を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めていきたい」とコメントした。
ボルタは展示再開後の昨年6月、心不全により死んだ。(共同)
https://mainichi.jp/articles/20230502/k00/00m/040/301000c?inb=ra