1:名無しさん

 

私もよく卒業論文の指導中に、「何人にインタビューすればいいですか」 なんて聞かれるのですが, そういうときは 「仮説が検証できたといえるまで」と答えます。 だから運がよければ, 4~5人で終わることもあれば, 10人でも, 20人でも終わらないかもしれません。そして, 仮説を立てずに、漠然とAさんBさんに聞いただけで,「だいたいこんな話?」ではいけません。手順を踏んで,入念に確かめていく。そのプロセス, メソッドがちゃんとあるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように,質的調査の信用性を高めるために様々な工夫が考えられているのですが,それでもなお, 量的調査や理系の学問と比べてなんだかいい加減だな、と思うかもしれません。 しかし, 実は「理系」だって同じような問題を抱えているのです。量子力学(物理学の一分野) の有名な理論の一つに,「(ハイゼンベルクの) 不確定「性原理」というものがあります。それによると,物質を構成する小さな単位の一つである電子は,常に動いているのですが, それを観察するため光をあててしまうと, どうしても光の影響を受けて運動量を変化させてしまうというのです。 つまり、対象に影響を与えない観察は原理的に不可能であるということです。電子の世界です