1:名無しさん




「1×0=0」という計算は、大人にとっては当たり前のこととして受け入れられているが、子どもにとっては納得しにくい問題である。大人であれば「掛け算に0が入れば0になるものだ」と簡単に片づけられるが、子どもにはその仕組みが理解できず、疑問が残ることが少なくない。その背景には、数字の「0」が持つ「ない」という概念を理解することの難しさがある。

子どもに「1」や「2」を教える際には、鉛筆など実際の物を見せて「1つある状態が1」、「もう1つ増えたら2」と対応させることで容易に理解させられる。ところが「0」は物が何もない状態を示すため、実物を使ったイメージが作りにくい。つまり「ある」ことを理解するのは容易だが、「ない」ことを理解するのはより高度な抽象的思考を必要とするのである。

さらに、0の特殊性は掛け算においても現れる。例えば「1×2」であれば「2」になるが、同じ計算に0を含めた途端に結果はすべて「0」となる。この「0をかけることで、存在していたものがすべて消えてなくなる」という性質が、子どもにとって大きな壁となる。なぜなら、現実の生活では目の前にあった物が突然消えるということは起こらず、むしろ不自然に感じられるからである。つまり「0」という数字が持つ「存在しない」という性質そのものが理解を難しくし、掛け算における0の振る舞いを一層わかりにくくしているのである。

https://gentosha-go.com/articles/-/42889