1:名無しさん




 7月20日、JR山手線内回りの車内でモバイルバッテリーが発火し、乗客5人が軽傷を負った。新宿駅と新大久保駅間の走行中の出来事であり、車内は一時パニック状態となり、列車の運行は内回りで約2時間、外回りでも約1時間停止した。新宿・渋谷・池袋といった東京の交通中枢を直撃したこの事故の影響は、乗客の生命だけでなく、都市全体のモビリティの流動性にも深刻な影響を与えた。

 発火源となったモバイルバッテリーは、すでにリコール対象製品であることが判明している。該当製品は2020年12月から2021年8月までに3万9000台以上出荷されており、過去に16件の火災が報告されていた(『NHK』2025年7月22日付け)。製品自体に欠陥が存在し、リコールが告知されていたにもかかわらず、使用が継続されたことは、製品設計や流通上の問題ではなく、消費者リーチ手段の不備と制度設計の緩さに起因する。

 現在、日本におけるリコール情報の周知は、企業のウェブサイト、プレスリリース、あるいはまれな新聞広告に依存しており、ユーザーの過半数が把握しないまま製品を使い続けている。今回の山手線火災は、このような情報断絶の末に起きた、いわば制度上の予見可能な人災である。なお、読売新聞によると製品は中国製だったという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9b596a8e2549f35d3a4cacf0626e4bbde32f75c8