1:名無しさん




プラスチック製品を長く使っていると、色あせ、ひび割れ、ベタつきなど、さまざまな劣化が見られるようになります。これらの劣化は、単に使用期間が長くなったから起きるのではなく、いくつかの具体的な要因によって引き起こされます。ここでは、プラスチックが劣化する主な理由について詳しく解説します。

まず一つ目は、素材自体の経時変化によるものです。時間が経つだけでも、プラスチックの内部では目に見えない化学反応が進行しており、それが劣化につながります。例えば、熱可塑性樹脂では、分子がつながる「重合」反応が継続して起こったり、太陽光や湿気によって分子構造が壊れたりします。熱硬化性樹脂やゴムなどでは、熱により一度固まった後でも徐々に硬化が進み、強度や柔軟性が失われることがあります。また、ゴムやポリ塩化ビニル(PVC)に含まれる可塑剤が揮発してしまうことで、素材が硬くもろくなるのもよくある劣化のパターンです。

次に、単一の外的要因によっても劣化が進むことがあります。例えば、長時間強い力がかかる、または繰り返し力が加わるような状況では、プラスチックの分子構造が崩れていきます。また、熱、紫外線(UV)、放射線、電気、化学薬品、微生物なども、プラスチックの性質に大きな影響を与えます。たとえば、直射日光に長時間さらされることでプラスチックが白くなったり、ボロボロになったりするのは、紫外線による劣化の典型例です。

さらに厄介なのが、複数の外的要因が同時に影響するケースです。たとえば、紫外線と雨が組み合わさることで、より深刻な劣化が起こることがありますし、薬品の影響下で繰り返しの負荷が加わると、通常よりも早くひび割れたり変形したりする可能性があります。このように、複合的な環境要因が絡むと、劣化のスピードは格段に上がるのです。

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