これが6年前のツイートです。当時そこそこ拡散されたので覚えていらっしゃる方もいると思います。これを作った際に、標本としての耐久性云々の話題が出たような出なかったような気がするのですが→ https://t.co/GBt3a9Arff
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
・2015年に同様の事例に言及した論文
しかし,岡田らは,「ほとんどの人は,肺は無数の 肺胞が集まってできているという知識を持ってい ても,ポリ袋のようなものを想像している」,「肺 の教材は,図と実物とのギャップがかなり大きい 教材である」と述べている1)。これらのことから, 本単元を学習する際,生徒の肺のつくりに関する 理解に誤りが含まれている可能性がある。また石 橋らは,教材の準備の手間や扱い方への不安,子 どもがもつ嫌悪感などから実際に実物のブタの肺 を授業で活用することは困難であることを述べて いる2)。そのため,肺のつくりを理解するために 実物に代わる教材が必要であると考えられる。実 物の肺に代わる教材として,大石らはブタの肺の 気管支を鋳型とするシリコン気管標本を作製して いる3)。しかし,それを用いた実践例は報告され ていない。また,標本だけでは肺の外見や肺胞の 様子などを観察することはできない。 そこで本研究では,実物の肺よりも嫌悪感を
https://aue.repo.nii.ac.jp/record/5052/files/sotuken-26-88.pdf
例年この教材を「肺のつくり」の授業で用いていましたが、6年たった現在、気管支末端部分が崩壊しました。指で触ると簡単に崩れ、ベトベトになります。一般的なシリコンシーラントの寿命が約10年というのを考えると少々短い気もしますが→ pic.twitter.com/PToA029udM
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
末端の細かく、表面積の大きい箇所であること、また軟組織から取り出すのに水酸化ナトリウム水溶液で煮ていることを考えると、想定されていない化学反応が進行していたとしても特に疑問はありません。保管状況にもよるでしょうが、教材としての寿命は概ね5年程度ということがわかりました。
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
なんかもっと別の、もっと耐久性の高い素材を使ったらあるいは半永久的に使えるものが出来るとも思いますが、流動性が高く水分量の多い環境でも比較的短時間で硬化して、発熱をせず粘り気があるので微細な構造が壊れない素材、というのが思いつかない。
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
この上からレジンで固めちゃうのはいけんですか?
— ⌬さや🥟バージョンアップ⏣ (@science_saya) February 22, 2025
いいアイデアだと思います。ただ、けっこうなボリュームがあるのでこの量のクリスタルレジンを消費するのはちょっと抵抗がある…
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
ガリウム流し込んで冷やす
— すマンゴ (@MANGO_WOODs) February 22, 2025
固化したまま組織腐敗させて取り除く
レジンで固める
どや?
ありがとうございます。金属は考えてはみたのですが(ガリウムも、生徒からのアイデアの中にありました)、ガリウムだと保存に気を使いそうですね。夏場融けるかも。錫、鉛など融点低めの常温では融けない金属も候補です。肉が焼けるので結果は未知数ですが…。いずれ試してみたいとは思っています。
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
これをさらに樹脂で固めればいいのでは?
— Ojiman🦨 (@Ojiman_VR) February 22, 2025
水没都市モデルみたいな
ありがとうございます。他の方にも同様のアイデアを頂いて、いいアイデアだと思います。容積的にけっこうな量のクリスタルレジンを使いそうなので、少し勇気がいりますが、試してみたいです。
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
食肉検査場に勤めてた友人がレジンを原型にして石膏標本にしてたような…腸管だったか腎臓の血管の走行が珍しいと言ってましたね。参考になれば
— 屋根裏の積みプラ製作所 (@1n_pvj) February 22, 2025
ありがとうございます。シリコーン標本を雄型にして別の雌型をつくって…というのも生徒から出たアイデアにあったのですが、ここまで複雑な構造の型を抜く技術が私にはないです。簡単な形の型採りならした経験はありますが…
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 22, 2025
有機ケイ素化学の合成や性質を専門にしたいました。この標本のツイート、6年前には気がつきませんでしたが、市販のシーラントでここまでできるとはびっくりです。素晴らしいですね。シリコーンが6年で劣化したのは不思議ですが、ご推察どおりアルカリの影響かもしれません。→
— モト@PPMMPPPP (@29silicon) February 22, 2025
シリコーン骨格の酸素とケイ素の結合は水酸化物イオンで切れます。
— モト@PPMMPPPP (@29silicon) February 22, 2025
R3Si-O-SiR3 + NaOH → R3Si-OH + R3SiONa
ご使用のアルカリ成分が洗浄不十分で残っていた可能性がありあり、それが長期間のうちに悪さをしたのかも知れません。モデル完成後、1ヵ月ほど水中に入れておくとか方法はありそう→
また、二剤混合型の型取り用シリコーンもあるので、それを使ってみるのも良いかもしれません。
— モト@PPMMPPPP (@29silicon) February 22, 2025
詳細なご教授、誠にありがとうございます。大変参考になります。確かに、別素材を試すよりも現行の素材を長持ちさせることの方が良いかも…と思い始めました。水酸化ナトリウムを除去するのにけっこうな時間がかかるようですね。何パターンか試してみます。
— 理科教師とらふずく (@raptorial_owlet) February 23, 2025
ついでに… 東京大学総合研究博物館(インターメディアテク、東京駅前)で動物の骨格標本を作っていらっしゃる研究員の方からの受け売りですが、肉を取り除くのにはアルカリじゃなく市販のたんぱく質分解酵素入り洗剤に漬け込むのが一番いいということでした。ご参考まで。https://t.co/qU4PxzryRz
— モト@PPMMPPPP (@29silicon) February 23, 2025
作った直後のシリコン標本をスキャンにかけて、3Dプリンタで複製品を作るってのも
— 俺の大惨事 (@SimesabaRakkyou) February 23, 2025
細かいし影に隠れた部分が複雑な構造になってるしで難しそうですねぇ
6年前のツイートを読み落としていたようで、非常に興味深く読ませていただきました。
— EZ-KZ (@sayur2an) February 22, 2025
①耐久性に優れた超寿命シーリング材もあるそうですね(試したことないので情報だけですみません)https://t.co/rxRPEU42rN
②横隔膜の働きを応用して液体を搬送するダイヤフラムポンプの動画もおすすめです
消耗品と割り切って数年毎に作り続けるというパワープレイ
— くすんだおにぎり♒ (@from_vip) February 23, 2025