「iPhone」。その登場は画期的で、まさしく世界を変えた。スティーブ・ジョブズが創り出したこの情報端末は、モバイルインターネットを劇的に進化させていった。「iPhone」が携帯市場を席捲していく過程は皆さんがご存じのとおりだ。
「iPhone」の解説は他書に任せ、ここではテレビの立場で恨み節をひとくさり。それは「ワンセグ」のことだ。
我々テレビがこの時期に心血を注いでいたのは「地デジ」であり、その効用の一つである「ワンセグ」だった。「ワンセグ」とは、地デジの放送電波の一部、ワンセグメントを使って、携帯端末でもテレビが視聴できる放送である。
その普及促進も自称「デジタル・マフィア」にとっては大きなテーマだった。ワンセグはまた、データ放送を使ってインターネットにアクセスする機能も強調され、そのハイブリッド性も謳い文句だった。「テレビとネットのマリアージュ(結婚)」と華々しく喧伝するテレビ局担当者もいた。日本のキャリアもメーカーも新たな商品企画として「ワンセグ」を携帯に載せてくれた。
しかし、アメリカからやってきた「iPhone」は「ワンセグ」には冷たかった。アメリカに「ワンセグ」という機能や概念がなかったからだろうか。否。彼らのネット世界観には、テレビを入れるという考えがなかったのだろう。そこにマリアージュなどなかった。
これは致命的だった。「iPhone」が流行れば流行るほど、ワンセグの影は薄くなった。携帯メーカーもごく一部のデバイスにしかワンセグを載せなくなっていく。そして今日、ワンセグは車載カーナビと一部の携帯端末にのみ、その存在を留めている。因みにワンセグの放送電波は地デジ開始当時から現在にいたるまで、テレビ電波に載せて送り出されている。それは未来永劫変わらない。
もうひとつの「新しい携帯向け放送」も消えた。多くの日本人は、記憶にすら残っていないだろう。これも恨み節になるのだろうか。それは携帯端末向けマルチメディア放送で、放送名は「NOTTV」と言った。この新たな放送は地デジ化で空いた周波数帯を利用する新しいメディアとして総務省も「推し」だった。当初、放送方式の違いでふたつのグループがこの周波数免許に手を挙げた。ドコモ・グループとKDDIグループだ。ドコモは「ISDB-Tmm方式」という技術を主張、KDDIは「メディアフロー方式」で対抗した。方式に互換性はなく、選ばれるのはどちらかひとつ。熾烈な周波数争奪戦が水面下で演じられた。
在京テレビ局も二派に分かれ、それぞれ一方のグループに出資して互いに対抗した。勝ったグループのテレビ局には、コンテンツ供給という新たな商売も生まれる。ドコモ・グループには日本テレビ・TBS・フジテレビが、KDDIグループにはテレビ朝日が入った。周波数争奪戦は熾烈を極めたが、総務省は放送・通信関係者やメーカー、有識者などの意見聴取を経て、ドコモ・グループに軍配を上げた。KDDIグループは空しく舞台を去った。
勝利したドコモ・グループは09年に新会社を設立。その3年後の2012年に「NOTTV」(mmbi社)の名称でこの新しい携帯端末向けマルチ放送を開始した。ドコモの作った新会社は、テレビに大量のスポットCMを投下し、大々的なキャンペーンを打った。
しかし、一大ブームは起こらなかった。若者たちの関心はiPhoneに向いていた。「NOTTV」は流行らず、その後も大化けしなかった。結局、僅か4年で放送終了。全国配備した中継局の撤収など「敗戦処理」にも人手とカネが掛かり、大損となった。敗因としていくつものことが考えられた。ひとつはこの放送が実現する携帯端末上の多チャンネル・サービスには「スカパー!」の既視感が強く、物珍しさがあまりなかったこと。戸外で活動しているユーザーにとって、一定時間を必要とする番組視聴がマッチするものだったのかどうか。
そして、無料ではなく、料金を支払ってまで戸外で視たいものがあったのかどうか。いろいろと反芻してみた。しかし、最大の敗因は「iPhone」の存在だった。アプリで手軽に実現できる新しいサービス、時間の掛からないサービスの数々、無料で得られる様々な情報。結局、携帯ユーザーたちが求めていたものは、携帯でテレビ放送を視ることではなく、ネットを通じて世界とつながることだった。
携帯の世界には既にLINEやツイッターが展開しており、情報を送る側にも受ける側にも大きな変化が始まっていた。
テレビがもたらす情報空間とは明らかに違う、もうひとつ別の情報空間が生まれていた。その変化に対する感性が、私たち関係者にはなかった。それゆえに「NOTTV」はうまくいかなかったのだろうと今にして思う。それはまた、「ワンセグ」の敗因にも共通するものだ。携帯端末を使った「モバイルの世界」はネットの独壇場だった。
https://shueisha.online/business/195885
NHK対策だろ
>>3
それ
>>3
ネットでも観れるから意味無い
>>8
今は「スマホ使ってネットで見られるから受信料払う義務が
あります」って総務省の方針でなっただけで、少し前までは
「NHKはネットというインフラに貢献してないくせにタダ乗りで
それは高望みではないの」ってことになってた
決まった時間に観るってのが面倒なんだよ、なんでテレビの都合に合わせなきゃなんねぇんだよ
日本はコンテンツの差で負けたんだ
という死体蹴りですね
ワンセグは安定せんのだよ。
やっぱモバイル環境では動画にしろ音声にしろバッファ持たせる必要があった。
スマホにワンセグとラジオ受信機をつけるべきだ
ネットじゃ意味ない
非常時に重宝するのに
業界圧力で封じやがって
>>20
NHKが携帯からも受信料取るかもとなって撤退していったんじゃなかったか
災害時に必要な機能なのにな
ドコモユーザーだが、NOTTVは契約の時に割引のために入れてすぐ消した記憶しかない
ワンセグ携帯はNHK受信料を払わないといけないんだっけ?
裁判でワンセグチューナー付の携帯持ってたらNHKの受信料払う義務があるという判決が出て
そこから一気にワンセグチューナーが携帯から外された
>>25
これでしょ
>>25
自分らで潰したという事か
笑えるな
ワンセグつけてくれよ。
誰もいらんて言ってないだろ
TVerは人気だし番組が悪いんじゃなくてリアルタイム視聴しか出来ないのが話にならない
災害起こったらと考えるとワンセグは必要と思うけど、ワンセグの機種ないよな
スマホに無いと意味なし
311の時は停電になったからワンセグで東北の被害状況知ったわ
フルセグはスマホで見る分には画質は十分良いよ
ローカルニュースとか天気予報見るのに使ってる
NHKプラスで関東の天気とかやられても参考にならん
新聞社がラジオやってテレビやってまでは良かったけど、ネットはダメだったな
>>53
2010年くらいまでネットを下に見てた印象がある
需要があるなら泥メーカーだって載せたわ
ワンセグって240Pだろ
720がギリみたいな時代に誰が見るんだよ
設備はいい勝負をしててもコンテンツでボロ負けじゃね
ちょっと前のタブレットやったらフルセグ付いてたんやけどな
あれけっこう便利やった
テレビ捨ててTVerで見るようになった
TVerに来ない番組でどうしても見たいの多分無いわ
テレビの凋落はiPhoneとは関係ないと思うよ
NOTTVなんて初耳なんだが
>>96
ドコモ端末限定だし ワンセグと同じで電波受信だからパケット通信しないのが売りだったんだけどな
てかTVerは画質クッソ悪いしCMスキップできないしテレビ番組見るならやっぱ大画面テレビだよな
サブスクの動画や映画もスマホやタブレットの画面なんかで見てもな
テレビはやっぱり必要
65インチが最適
NHKがバカな事しなけりゃ今頃機体内部にチューナー装備されて共存出来てただろうにな
NHK教育がワンセグ独自編成の番組放送したり、一時期それなりに力入れてたな
HDくらいの画質を維持出来る通信量なら需要は今でも極めて高い
つか普通に利用する
友人がNHKのワンセグ開発技術者だったけど、開発陣の誰もワンセグで受信料を取るなど考えておらず、
それをやったらワンセグそのものが終わるからと猛反発したが覆らなかった上、開発チームは各所に飛ばされた。
それを聞いて、ああ、NHKはワンセグが邪魔だったんだなあと思ったのがもう10年も前のことか。
ちなみに友人は飛ばされた地方で逆にのびのびとカメラマンをやってる。
あれほどの技術者を、もったいないことをするもんだ。
>>161
放送技研の人か
B-CASカードがなくてもワンセグは見れたはずだから
確かに受信料を想定してないだろうな
311のとき停電したけど知人宅でラジオ聞いてたわ
ガラケーにはワンセグがついてたけど起動することすら思いつかなかった
そもそも古いガラケーはろくに映らなかったから機能自体を忘れてた