日本野球機構(NPB)と北海道日本ハムファイターズは23年12月19日、24年シーズンの春季非公式試合(オープン戦)日程を発表した。オープン戦は2月23日から3月24日までの1カ月間行われるが、日本ハムの一部開催球場をめぐってちょっとした話題となっている。
「ドーム側が助けを求めた?」札幌ドームでの試合開催にさまざまな声
日本ハムのオープン戦日程を追っていくと、3月2日・3日(対阪神戦)の開催球場は札幌ドームとなっている。これについてSNS上では「収益のない札幌ドームが助けを求めたのか」「いやいや、日本ハム側が手を差し伸べたのかもしれない」などとさまざまな声があがり、盛り上ががっていた。
23年12月8日付「スポーツ報知」ウェブ版記事は『【日本ハム】札幌ドームで1年ぶり試合…来年オープン戦開催 エスコン開業後初』との見出しで、球団関係者の話として「エスコンの天然芝もまだ“寝ている”状態。芝の(生育)問題もあるので、球場内を温かくすることが難しい」などと背景を説明。札幌ドームは温度調整のしやすさから、冬でも寒さを気にしないで済むことも理由に挙げられるとの見方だ。
また、12月19日付「AERA dot.」記事『苦境の札幌ドームに日本ハムが“救いの手”? win-winの関係は構築されるか、両者の思惑は』は、「長年にわたって北海道における野球のメッカであったドームだが、今や“負の遺産”になるのではないかと市民には大きな懸念があるのも事実」として、札幌ドームでの試合開催を待っているファンも少なくないというニュアンスで報じた。
本サイトで以前書いたように、札幌市が集客の要として総額10億円を投入して設置した、1~2万人規模のイベントを開催する「新モード」の不発などもあり、札幌ドームは苦しい経営を強いられている。
「新モードを使用したのは、今年開かれたラグビーワールドカップのパブリックビューイングと11月開催の高校生らが参加した吹奏楽パフォーマンスイベントのみ。今後の使用については調整中だ」
「やはり日本ハムがいた影響は大きい。試合は平日もあった。日ハムが抜けた穴は大きいと感じている」(23年12月4日配信『札幌ドーム担当者への取材で「深すぎる苦境」浮き彫り…エスコンとの明暗が鮮明』より)
一方、エスコンフィールドと周辺エリアを含めた「北海道ボールパークFビレッジ」のを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントは、Fビレッジの9月30日までの約半年間の来場者数が年間目標としていた300万人を上回る303万人となったと発表した。営業利益も約26~27億円となる可能性があり、移転前となる19年の9億5000万円から大幅に伸びることとなる。
札幌ドーム担当者「ドーム側から球団側に提案」
では、今回明らかになった札幌ドームでの日ハム戦開催は、札幌ドーム側が日ハムに「助けを求めた」ことで実現したのか。もしくは「日本ハム側が手を差し伸べた」のか。本稿記者はまず札幌ドームに取材を行った。担当者に新モードについて聞くと、内容は明かさなかったが「今後、イベントを企画している」と回答した。また、日ハムの札幌ドームでの試合開催については次のように回答した。
「札幌ドームでは昨年も日本ハムの試合を開催している。今年も札幌で野球を見られないかということで、ドーム側から日本ハム側に提案した」
ドーム側から提案したというのは事実だった。なお、球団側からは締め切りまでに回答はなかった。エスコンフィールドと札幌ドーム。どちらも24年は真価が問われる年になりそうだ。
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https://biz-journal.jp/2024/01/post_367623.html
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