・不景気でもラグジュアリーブランド好き
ロシア・ウクライナ戦争や原油高による経済停滞は全世界共通だが、韓国の場合は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の左翼ポピュリズム政策で出費が増え、税金が高くなり、不動産価格も不安定。税金の上昇が、日用品の物価高を煽り、“総体的不景気”に陥っている。
こんな不景気にもかかわらず、韓国人は相変わらず「ラグジュアリーブランド」が大好きなようだ。韓国輸入自動車協会の発表(2023年7月)によると、韓国内における今年上半期のポルシェの販売台数は6226台で、前年同期に比べて32.6%も増加した。一方、日本のポルシェの新規登録台数は20%台増にとどまっている。
韓国の高級外車の販売台数は日本を上まわっている。ポルシェの販売台数は、2020年に韓国はすでに日本を追い越している。年間の販売台数は、2021年は韓国8431台、日本7009台、2022年には韓国8963台、日本7193台と差は広がっている。ベントレーの今年上半期の販売台数も、韓国が386台で、日本は287台。昨年の韓国でのベントレーの販売台数は775台で、アジア・太平洋諸国で1位だったという。
今年1~8月の間に韓国で販売された1億ウォン以上の外国製SUV車は2万8005台。前年同期の2万4156台から15.9%増加した。BMW9001台、メルセデス・ベンツ8201台、ポルシェ4553台、ランドローバー3276台、アウディ1138台など。外国製の車のなかでも高価なブランドが人気だった。
・ソウルの売り場面積は東京の3.6倍
韓国人の「不景気でもラグジュアリーブランドを好む」傾向は自動車に限らない。アメリカの投資会社「バーンスタイン」が最近発表した「ラグジュアリーブランドリテールの進化」によると、都市別ブランド売り場の数は東京とソウルでそれほど変わりはないが、売り場面積は東京のほうがソウルよりも約3.6倍広い。ソウルのラグジュアリーブランド店は狭いスペースにぎっしり商品が詰まっていることになる。
グローバル調査機関「ユーロモニター」の発表によると、2021年の韓国のラグジュアリーブランドの規模は141億6500万ドル(約18.4兆ウォン/約2兆1千億円)に達している。
韓国でラグジュアリーブランドは人気があり、各ブランドは度重なる値上げを行っている。シャネルは昨年4回、今年は2月と5月に値上げした。ルイ・ヴィトンも昨年2回、今年も6月に値上げした。両ブランドとも同じバッグの価格をフランス、アメリカ、日本などの国と比較すると、韓国内が最も高い。それでも韓国人の購買力は落ちないのだという。ブランド会社も「どうせ高くても買う」と考えているようだ。韓国消費者を“金づる”として扱っているという指摘すらある。
・エルメス、ヴィトン、シャネル……
昨年のエルメスコリアとルイ・ヴィトンコリア、シャネルコリアの売り上げは合わせて3兆9324億ウォンもある。日本円にすると約4325億6千万円。これは2021年と比べて22%も増加している。ルイ・ヴィトンコリアの売り上げは15%増、シャネルコリアは30%増。そしてエルメスコリアは23%増えている。
問題は、高級外車やラグジュアリーブランドに走るのが富裕層だけではないということだ。そこで冒頭のカプアとブランドプアという言葉が生まれた。自分の境遇や今後の借金生活を顧みず、他人よりも自分をよく見せたいため、高級外車を買い、「似合わない服」を着る韓国人……。
この消費者心理が韓国経済をいびつな形にさせ、さらに危機に追い込んでいるとアナリストは分析している。
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https://dot.asahi.com/articles/-/207068?page=1
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