混迷を極めるリニア中央新幹線の静岡工区問題。作家の小倉健一が現状を解説する――。
静岡県・川勝知事の「二枚舌」…脱公共事業を掲げながらハコモノ量産
静岡県の川勝平太知事を支持しない有権者が過半数を突破した。4月11日公開された静岡市の有権者を対象にした朝日新聞と静岡朝日テレビの出口調査で判明した。なお、同調査内では、リニア中央新幹線の着工については59%の人が賛成、32%の反対を大きく上まっている。
「川勝知事を支持しない」と答えた人は、51%だった。<中略>
静岡県民ですら着工を望んでいる「リニア中央新幹線の建設」について、川勝知事が邪魔をし続けることに「なぜ、そこまで頑(かたく)ななのか」という声が中央政界を中心に渦巻いているが、その原因として「リニア建設阻止」について川勝知事の大きな後ろ盾となっている地元紙「静岡新聞」の存在が挙げられる。静岡県でも記者をしていたことのある、大手新聞政治部記者はこのように静岡県のメディアの状況を解説する。
「静岡県内の静岡新聞のシェアは60%を上回り、2番手の朝日新聞を大きく引き離しています。2023年1月(ABC協会調べ)で、部数は約53万500部を発行。県民が約360万人、有権者は約300万人ですから、新聞においてはダントツの部数で、県政に多大なる影響を与えています」<中略>
川勝知事は、新しい難クセを考え出した
最近になって、川勝知事は、新しい難クセをはじめつつある。先ほどの記者に解説をしてもらおう。
「JR東海が『水問題』を解決しつつあるので、このままでは川勝知事はリニア工事の許可をしなくてはならなくなってしまいます。何の政治的成果もあげられないまま、引き下がるわけにもいかないと考えたのでしょう。今度は『生態系が破壊される懸念がある』ということを議題にあげています。生態系は水よりもさらに科学的な議論が難しく、解決は困難です。川勝知事は(トンネルを掘ることで)生態系を一切破壊しないことなど絶対に不可能なことを、わかっていてやっているのでしょう。リニア着工が数年単位で遅れる見通しです」
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