バルト3国のリトアニアが、自国を通過するロシアと同国西部の飛び地カリーニングラード州を結ぶ鉄道貨物輸送の制限を始めた。ウクライナ侵攻を受けた欧州連合(EU)による経済制裁に沿った措置だが、ロシア側はカリーニングラード州を「封鎖」する試みとして強く反発。ロシアとEUの新たな対立の火種となりそうだ。
タス通信などによると、リトアニアによる貨物輸送の制限は18日に始まった。EUがロシアからの輸入や域内の通過を禁じた製品が対象。カリーニングラード州のアリハノフ知事によると、鉄鋼や建設資材などの輸送が禁止された。EUの制裁対象は石炭や石油精製品などにも拡大する予定で、同州に来る貨物の最大50%が制限される可能性があるという。
リトアニア政府は「追加の制限を加えたわけではなく、EUの制裁を適用しただけだ」と説明。EUのボレル外務・安全保障政策上級代表(外相)も20日、「封鎖ではない。乗客や(制裁対象外の)商品の輸送は続いている」と指摘した。
ロシアは当面、バルト海を経由した海上や航空輸送を強化する方針で、カリーニングラード州の完全な「封鎖」とは呼べない状況だ。だがロシアは、バルト3国が露側と結んだ乗客などの通過に関する取り決めに違反していると主張。露外務省は20日、リトアニアの臨時大使を呼び出して抗議し、声明で「貨物輸送を完全に再開しなければ、ロシアは自国の利益を守る活動を行う権利を確保する」と対抗措置を示唆した。
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