音楽評論家・宮永正隆氏が運営する「金沢大学オープンアカデミー ビートルズ大学」のX(旧ツイッター)が14日に更新され、昨年10月期に日本テレビでドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、過去の経験を記した。
宮永氏は少女雑誌「りぼん」元編集者で、「みーやん」の愛称で親しまれていた。「ちびまる子ちゃん」で知られるさくらももこさん(享年53)の元夫で、「セクシー田中さん」問題を受け、過去に放送されたさくらさんの自伝的ドラマについて思いを馳せた。
同作について、宮永氏は「さくらももこ自ら脚本を書き下ろし、キャスティング案も提出し、祖父役をいかりや長介にして最後に『全員集合!』と仕切らせたり画期的な内容にした」というが、「なのに脚本もキャスティングも一切無視した酷い出来ドラマが『完成版』としてビデオで突然届いたのが放送数日前」と告白。「先生には叱られるかもしれませんが」と一筆添えられているだけだったという。
「こちらはウブで“NHKが大々的に正月特番として放送するドラマを今さら差し止められない”と思い ただ諦め“誰も観ないでほしい”と願うしかなかった」と思いを吐露。「90年暮れは『おどるポンポコリン』がレコード大賞受賞~紅白歌合戦出場、明けた正月特番でNHKとしては異例の民放の人気アニメに便乗したドラマスペシャルとして新聞やTV雑誌でも鳴り物入りで大きく報じていたため当然多くの人が観た」と振り返った。
「現実のさくらの歩みをドラマ化というコンセプトなのに、現実と異なり、担当編集者はさくらの前で放屁ばかりする意味不明の描かれ方で」と、自身の描写も不明だったといい、物語終盤では、「ちびまる子ちゃん一家を描くドラマには最もそぐわない」ような、史実ではない“下世話なオチ”が採用されていたと指摘した。
「こんな仕打ちを受けた当事者・原作者は他にも数知れずだが、制作サイドは“そういうもん”となし崩しで押し切ってきた」とこれまでの歩みを回顧。その上で、「だから今回の『セクシー田中さん』問題は(悲しすぎるが)抗議の死によって、版元窓口も含め“当事者の声を尊重すべき”という当り前の事にようやく気づき始めた事件である」と見解を述べた。
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