県内の千曲川中流域では外来魚のコクチバスが3年前の台風19号のあと、大幅に減少する一方、ウグイなどの在来魚が増えていることが、県水産試験場の調査でわかりました。
北アメリカ原産のコクチバスはいわゆるブラックバスの仲間で、繁殖力が強く生態系に悪影響を与えるとして、「特定外来生物」に指定されています。千曲川の中流域では、2015年時点で最も多く生息する魚となり、県水産試験場は千曲市内の2か所で定期的に生息数を調べています。このうち1か所で1時間当たりに捕獲された数を見ると、台風19号の直前の2019年夏は、コクチバスが10匹あまりで、在来魚のウグイとオイカワは0匹でした。これに対し、台風19号のあと、去年夏に行った調査ではコクチバスが0匹に減る一方、ウグイとオイカワは12匹あまりに増えました。
水産試験場によりますと、もう1か所でも同様の傾向が確認されていますが、このような調査は全国的にもほとんど例がなく、台風を境に生息数が逆転した原因は不明だということです。魚の生態に詳しい長野大学淡水生物学研究所の箱山洋教授は「詳しい原因は分からないが、在来魚は用水路をうまく利用して台風のあとに千曲川に戻り繁殖した可能性もある」と指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20221101/1010024530.html




