ファイターズの本拠地が北広島に移転して初めての年となった札幌ドーム、イベントの数が目標を下回るなど苦しい結果となる見込みです。果たして打開策はあるのでしょうか。
井口七海記者:「こちらのエリアでは、障害物を使ったパルクール鬼ごっこが行われています」。
段差を飛び越え、走り回る子どもたち。冬休み初日の26日、札幌ドームでは子ども向けのスポーツ体験イベントが無料で開かれています。ドームの利活用の一環として、札幌市が今年初めて開催したものです。
来場した親子:「楽しかった、楽しい」、「雪の中、遊ぶ機会や体を動かす機会が少ないので、汗いっぱいかいて遊べて、すごくありがたいです」。
今年3月北広島市にオープンした北海道日本ハムファイターズのボールパーク。試合のない日も楽しめる工夫が満載で、来場者は300万人を超えました。一方、札幌ドームは年間60日以上あったプロ野球の試合がなくなったため、新たな戦略を打ち出しました。
本吉智彦記者:「幕は、ピッチャーマウンドとバッターボックスのちょうど間に設置されています。あの大きなドームが狭くなったなという印象があります」。
今年3月に導入した「新モード」。通常4万人のドームを幕で仕切ることで、1万人から2万人規模のコンサートなどを開催できるようにするもので、幕などの設備におよそ10億円を投じました。
しかし、予約はまったく入らず、新モード初のイベントは、9月に開催されたラグビーワールドカップのパブリックビューイング。その後も札幌ドームが主催した高校生の吹奏楽イベントに使われたのみで、今年は2件の利用しかありませんでした。
札幌市スポーツ局施設課・井上昭課長:「どういったことができるのかが、アーティストさんにまだ伝わっていないのかと思う」。
「新モード」を使ったコンサート誘致の目標は今年度6件ですが、予約はゼロだといいます。
札幌市スポーツ局施設課・井上昭課長:「市が主催等でコンサートを一緒に開催することも検討しなければならない」
ファイターズ移転後の打開策としては不発に終わった「新モード」。来年こそは、経営改革が迫られる札幌ドームの収入源となれるのでしょうか。
依田英将アナウンサー:
今年の札幌ドームの実績を振り返ります。
▼イベント日数
今年度の目標はあわせて107日の稼働となっていますが、来年3月までの予約を含めて
・コンサートは通常モードで6日
・新モードはゼロ
・展示会は32日
・自主イベント12日
などあわせて93日。目標達成には14日足りない状況です。
もともと今年度は3億円の赤字を見込んでいますが、さらなる赤字拡大は免れない状況です。来年は本腰を入れて収支改善に臨む必要に迫られそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/adc9cdd7eeac5127e4026892be2616e2ccfb8534