【環境法2受講者へ】異例の対応ですが、レポート課題における不適切行為のうち、確認が必要なものについての問い合わせを個別に発出しました。(今回発出していないものについては通常の成績問い合わせ期間において対応します)。以下は、全員にむけて発出したお知らせのコピーです:
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
今回は内容面の評価以前の問題として、レポート執筆にあたっての不適切な行為がかなりありました。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
特に、
「参考文献として挙げた文献、新聞記事、ウェブ記事の存在そのものが確認できない」
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
「引用した最高裁判例・裁判例の存在が確認できない」
「法令の引用をしているにもかかわらず、その語句の存在が確認できない」
という場合については、 レポート執筆上の「不正行為」(存在しない事項を根拠に自己の主張を記述する捏造行為)が強く疑われますので、ほかの記載部分の評定にかかわらず、F評価を付けています。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
ただ、これらについては、教員側がその存在を確認できないだけで、執筆した学生の手元に資料がある場合もあるかと思います。これらの事由が疑われる学生については、個別にメッセージを出しますので、確認し、指定期日までにメールで証拠を提出してください。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
それ以外の方の評定については、通常通り、成績問い合わせ期間(成績開示後)に受け付けます。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 11, 2025
きっと、AIにやらせて、AIがそれらしい判例だとか文献を作ってますね。
— S.Yamamoto (@seiyamamoto) February 12, 2025
【環境法レポート不正続報】こちらの件について、一部学生から返信があり、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
それに応答する長文メールを書きました。当該学生の特定に至らない範囲かつ公開しても差し支えない範囲について、一部抜粋しておきます。ほかの先生方、学生の皆さんの参考になればと思います(続きます) https://t.co/soST8z9CPF
担当教員である私が今回問題にしているのは、「適切な裁判例をあげなかった」ということではなく、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
あなたのあげた最高裁判決が本当に実在のものなのか、ということです。
私が今回問題にしているのは、あなたが「存在しない判例」を証拠として文書を作成したかどうかです。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
もし、最高裁判決ではないものを最高裁判決であるかのように偽れば、どうなるでしょうか。
「~の記述に参考になる、~という考え方を述べた最判がある」というのは非常に重たいものです。
読み手は、「最高裁判決があるならそういう方向で解釈しないといけないのか」「それ以外の考え方は、実務ではなかなか使えないのかな」と考えます。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
しかし、これが地裁判決の1つにすぎなかったりすれば、「色々いる裁判官の1人(あるいは3人の合議)がいっているのか」程度の信用力になります。
それ以上に、もし、全く存在しない架空の判決をでっち上げたのであれば、それは法学の文章執筆における重大な不正になります。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
自分の都合の良い最高裁判決があるかのように偽るというのは、最高裁判決に対する信用を著しく棄損します。
私たちがなぜ判例を学ぶのかについては既にここまでの学修でわかっていただけていると思うのですが、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
存在しない最高裁判決を自己の主張の根拠にすること、
それを使って単位取得を試みるということは、学問としても、許されることではありません。
なお、生成AIを利用したことそれ自体は、悪いことではありません。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
実はあなたのレポートには、
他の箇所でChatGPTを使った痕跡があり、おそらく生成AIを使ったのだということは、わかっています。
しかし、問題はそこではなく(私自身もブレストに使うのは止めていません)、
AIにより生成された情報を吟味することなく、「あなたの表現物」として、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
あなたに責任のあるかたちで虚偽の情報を含む執筆を行ったことを問題視しています。
つまり、デマを拡散したりすることと、変わりがないのです。
社会において、一度このような行為を行うと、以後、あなたが発信したり、提出する内容はすべて、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
「嘘をついているかもしれないから信用できない」「読むに値しない」という評価を受けることになります。
それくらい、存在しない資料に基づいて記述をするということは、重いことです。
出典の確認を怠ったというレベルとは違います。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
一段階、重たい、社会活動や言論空間から排除されるべきと評価される行為だということを認識してください。
(中略)
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
単位認定は、誠実かつ公平に行われなければ、他の学生からの信用、あるいは社会からの信頼を失います。
他の学生も、誤記があったり、出典明示に不明な点がある人もいます。(それらは、2か所以上ある場合は、かなり大幅な減点事由になっています)
しかし、存在しない文献や判例を挙げている者は数名でしたので、今回、あなたと同じ対応を取っています。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
私は今回、すべての出典表記について、その存在を確認し、内容面で元の文章の剽窃になっていないか(怪しい場合は評定として非常に低く評価する)を確認したうえで、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
自己の見解を丁寧に論じたものについては高く評価する(それがどのような結論であっても)
時間をかけて、評価をしています。
しかし、「ない」ものを「ない」と確認するのは、いわゆる「悪魔の証明」というものでして、非常に困難です。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
今回、あなたの主張する最高裁判例が存在しないことを確認するために、
LEX/DB、D-1Lawという二つのデータベースを、日付やキーワードを何度も変えて検索するなどして確認しています。
なお、この2つは、明治大学の身分があれば(本当だったら使用料が100万単位)、だれでも、無料で使えることは覚えておきましょう。
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
詳しくは図書館の「オンライン情報源」https://t.co/ZkhuYMrCck からアクセスしてください。
このように、ないものをでっちあげるということは、
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
そのための確認のコストを、情報の受け手に負わせるという点でも、非常に罪深いと考えています。
(中略)
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
もし、レポートの書き方などに不安がある場合は、2月20日以降にアポイントメントをとったうえでオフィスアワーに来てください。
(以上)
AI業界に片足突っ込んでる身からすれば、出典を独自生成する程のハルシネーションを今のchatgptで起こすというのは、単に使い方が解ってないんだと思う。
— KENNY (@chaowatson) February 13, 2025
素晴らしい。生成AIは利用者が生成された結果を吟味可能である(不備などを見落としてはいけない)というのが大前提であり、ハルシネーションを見落としてはならないのである。その視点がない人は生成AIを使用するべきではないですね。
— ᴜᴄʜɪʜᴀ ❟❛❟ (@sasuke__oo7) February 12, 2025
難しいことはよくわかんにゃいんですけど、わたしならレポートを出したのにおこらりるような科目は選択しませんにゃ…にゃんて、わたしのレポートを当日の朝コピーして名前だけ書き換えて提出した5人が無事卒業したおバカ短大出身の猫が寝言を申しておりますにゃ♪
— びっぐにゃん (@big_nyan_) February 13, 2025
これなぁ…横田先生は法学の方らしいが、生物でもあるんだよ…。
— つなぽん6歳と1歳の親 (@tunatuna_01) February 12, 2025
学務課と共有して学科会議にかけて処分が下されるところもあります。身近な例だとカンニング扱いになり、学期全ての科目で不可扱いに。
バレますよ。だって私たち、専門家なんですから。 https://t.co/N10AaGidjA
ほんそれ、です。「えええ、Y社でこんな本出てたの知らなかったわー在外研究中とはいえマズイわー」って検索してNDLもY社もどっちも引っかからなかったときの絶望感、でした。はい。 https://t.co/Tw4A3iM1fj
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025
「法学文献の出典の表記方法」は、たぶん他の関連社会科学分野よりも細かいっすよねえ…頁単位で参照しないとだめですから。それが学部3年以上で身についていないのは減点事由です。3頁で1回くらいはやっちゃうのは仕方ないけども。 https://t.co/63vMYkO0OD
— 横田明美 Akemi YOKOTA (@akmykt) February 12, 2025