https://news.yahoo.co.jp/articles/56f16dd83442fee8f67b555c167c12cd201ce821
■大連立で合意に達した二大政党
トランプショックの陰で全く目立たなくなってしまったが、ドイツで4月9日、新政権の発足に向けた連立協議が合意に達した。新政権の組み合わせは、2月の総選挙で第一党となった中道右派のキリスト教民主同盟・同社会同盟(Union)が首班となり、中道左派の社会民主党(SPD)がそれをサポートする、いわゆる「大連立」となる。
新首相には、Unionを率いるフリードリヒ・メルツ党首が就任する見込みだ。ドイツの公共ラジオ放送ドイチュラントフンクによると、滞りが無ければ5月7日にも議会で首相指名選挙が実施される運びという。17ある閣僚ポストのうち10をUnionが、残り7をSPDが担う。財務相を除く要職をUnionが担うポスト配分がなされている。
ここで注目されるのが、連立協議書の内容だ。前任のオラフ・ショルツ政権の下で、ドイツは「脱炭素」「脱原発」「脱ロシア」の三兎を追うエネルギー戦略を追求した。その結果、ドイツの経済の高コスト化が急速に進み、ドイツの国際競争力を劇的に低下させた。Unionを首班とする新政権は、果たしてこの路線を修正するのだろうか。
加えて注目されるのが、ショルツ政権によって強化された分配戦略が修正に向かうのかという点である。中道左派のSPDを首班とするショルツ政権は、政治主導で最低賃金を引き上げるとともに、経済界に対して賃上げの動きを促してきた。こうした積極的な分配戦略が人件費高につながり、経済の高コスト化をさらに促したのである。
いずれにせよ、連立協議書の内容を確認すれば、三兎を追うエネルギー戦略や積極的な分配戦略の在り方がどの程度変わるのか、それとも変わらないのかが明らかとなる。
■基本的に踏襲されるエネルギー戦略
まず「脱炭素」「脱原発」「脱ロシア」の三兎を追うエネルギー戦略の修正に関して確認したい。脱原発については、国内で原発回帰の世論が高まっており、またUnionの公約には再稼働に向けた議論を進めると掲げていた。しかし、その連立協議書に言及はなく、基本的に新政権は、引き続き三兎を追うエネルギー戦略を歩む方針ようだ。
Unionによる決断の背景には、SPDが脱炭素を重視していることに加えて、改憲に際し環境タカ派である同盟90/緑の党(B90/Grünen)の協力を仰いだことがあったと考えられる。UnionはSPDとB90/Grünenに配慮し、原発再稼働の選択肢を後退させ、これまで通り再エネとガス火力を主体とするエネルギー戦略を追求するようだ。
連立協議書には、高止まりする電気料金に関して、電力税と電力網使用料金を引き下げ、1キロワット時当たり5セント以上の負担軽減を図る旨が盛り込まれている。しかし本来なら、価格の引き下げは電力の安定供給によって達せられるべきであり、原発の再稼働が無理ならば、ガス火力のみならず石炭火力の再強化も選択肢に入るはずである。
連立協議書には、二酸化炭素回収・貯留(CCS)を可能にするための法整備を進める旨も記されている。これは石炭火力の再強化への道を拓く動きだが、SPDの環境タカ派やB90/Grünenはこの選択に反発する。またドイツでは国内炭鉱の閉鎖が相次いでいるため、再強化の方向で動くとしても、輸入炭価格との見合いになるかもしれない。
■最低賃金15ユーロは実現するのか
続いて分配戦略だが、一見すると、SPDの意向を汲むかたちで、新政権は引き続き積極路線を歩むように見受けられる。つまり連立協議書には、2026年までに時給を15ユーロに引き上げる目標が明記されている。これは24年5月に、当時のショルツ首相が週刊誌シュテルンとのインタビューで望ましいと答えていた水準でもある。
ドイツの最低賃金は、本来なら労使双方を代表する委員と、投票権のない学界からの委員で構成される最低賃金委員会での議論を踏まえたうえで、その勧告に基づき、政権が決定する。一方で、労働界を重視するSPD出身のショルツ首相は、最低賃金委員会での議論をスキップし、文字通りの政治主導で、最低賃金の引き上げに注力してきた。
しかし、新首相は経済界を重視するUnionから選出される。すでにドイツの最低賃金は、2025年1月時点で12.82ユーロに達している(図表)。一方で、現在のドイツは、3年連続のマイナス成長が視野に入る不況の真っただ中にある。最低賃金を15ユーロまで引き上げる余裕など、今のドイツにはない。本来なら凍結さえ視野に入る状況だ。
恐らくUnionは、ショルツ首相に花を持たせるため、15ユーロという水準を受け入れたのだろう。しかし実際は、従来の通り最低賃金委員会からの勧告に従うという体裁を取りながら、15ユーロ未満での妥結を図るつもりだと予想される。実際にドイツの深刻な不況に鑑みれば、最低賃金委員会が15ユーロで勧告するとはまず考えにくい。
■高コスト化に突き進むドイツ
このように連立議定書の内容を管見する限り、新政権の下で、ショルツ首相が推し進めてきた「脱炭素」「脱原発」「脱ロシア」の三兎を追うエネルギー戦略や積極的な分配戦略が大きく修正されることはなさそうだ。正確には、ブレーキは踏み込まれることになりそうだが、行き先そのものを変更することはないといったところだろうか。
エネルギー戦略や分配戦略以外の面に目を転じると、コストの低下や競争力の向上に貢献する規制緩和の動きが散見されることも確かである。例えば、2023年1月に施行されたサプライチェーン・デューデリジェンス法の廃止がある。これは企業に対して、人権や環境に配慮した供給網を構築しているかを確認・義務付けるものだった。
このサプライチェーン・デューデリジェンス法は、企業に多大な対策コストを強いるものであり、その見直しが急務であったが、自らが導入した手前、ショルツ政権の下では見直しが進まなかった。それ以外にも、過剰な規制を廃して供給を刺激しようという内容は散見されるが、要のエネルギー戦略や分配戦略については手つかずのままだ。
他方、ドイツでは硬直的だった財政運営の弾力化が見込まれる。これ自体は良いことだが、それがこれまでなおざりになってきたインフラの更新など、供給を刺激する方向に向かわなければ、高インフレ体質は改善しない。それに、米トランプ政権からの圧迫で、ドイツは事実上の軍拡に取り組む。こうした軍拡圧力もまた、インフレ圧力となる。
軍需はそれ自体が需要であるし、強いクラウディングアウト効果のため民需を激しく圧迫する。軍需向けのモノやサービスの生産にヒト・モノ・カネという有限な生産要素を優先的に投下すれば、民需向けのモノやサービスのインフレはどうしても加速する。こう整理していくと、ドイツ経済は引き続き、高コスト化に突き進むことになりそうだ。
ドイツを代表する企業であり世界有数の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、結局、ドイツ国内の工場の閉鎖を撤回した。しかしこうコストが高いドイツでグローバル企業が生産を行うメリットなど、まずない。ドイツから撤退する企業が、このままでは国籍を問わず増えることになるだろう。トランプ政権の要求で米国投資を増やすドイツ企業も増えると予想される中、産業空洞化が加速する恐れが大きくなっている。
脱原発は不可能だろ
>>5
フリだけなら出来る
>>5
ドイツ国内なら可能だろう。
ドイツ国内だけならなw
フランスにいくら払うことになるのやらw
>>5
原発でバカスカ電気を作ってるフランスから電気を輸入するだけの簡単なお仕事です
移民、原発、クリーンディーゼル、EVとことごとく失敗するドイツ
これから防衛費の増大と不法移民の増加加速で財政の破綻予想がでてるしな
メルケルのギリシャはお荷物発言がドイツに返って来たな
ドイツってメルケルの批判はしないんだな
全て移民のせいだろ
電気自動車に助けてもらえよ
クリーンディーゼルでも良いぞ
効率化という名の手抜き仕事を横行させるようになって品質の低下とコストの増大ばかり招くようになったところにエネルギー供給不足というトドメを食らったんだからドイツほどの経済規模でも致命的
ポリコレや犯罪者優遇しても企業は儲かんねえからな
日本:「脱原発とか脱炭素とか 無理だw
賢いドイツ人がなに馬鹿なことをw 虎穴に入らずんば虎児を得ずだろ」
>>28
そのセリフ、腕を噛みちぎられた人が言ってるんだぜ
どこへ逃げても変わらなさそうだけどな
ここ最近ドイツの景気回復してきたってニュース見たような?
株価だけ?
ドイツ発電量のデータ見て来たけど
石炭絞った分だけ総発電量落ちてて再エネ分がガツンと伸びてるわけではない
そら生活苦しくなるわな
アメリカドイツあたりはインフレ止めて人経費をいまの半分ぐらいにしないと
製造業で海外と競争できるわけねえじゃん
最低賃金なんてものは上げるもんじゃない底辺はそのまま働かせていいんだよ格差を無くせば国は滅びる
ロシアの安いエネルギーに依存して成長してきた国だからなあ
そこを戻さないといくら政策振り回してもどうにもならんろ
中国と組んだトヨタが正解だっただろ
やっぱりトヨタが正しかった!
先進国になればなるほど経済の高コスト化で産業が空洞化するってのは皮肉だなあ
>>63
草木が生い茂る→草食獣が増える→肉食獣が増える→草食獣が減る→草木が再生する
みたいなもんなんだろう。
エネルギー行政が右往左往しているせいで
メルセデスちゃんがひっそりと虫の息です
世界大戦全部負けてる国だから逆神
日本の高効率石炭火力も潰しやがったドイツ人がねぇ…