アイリスオーヤマが「Made in Japan」復活へ大きく舵 プラ製品を中国から国内製産に(有森隆)
製造に使う金型を日本に移し、9月から埼玉工場(埼玉県深谷市)、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)、米原工場(滋賀県米原市)の3拠点で順次、生産を始めた。ロボットによる自動化を進め、短期間でスムーズな生産移管ができる、という。
国内生産に切り替えることで約2割のコスト削減が見込めることから、園芸・除雪用品などの国内への移管も検討している。
マスクは中国で一括生産していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い20年から米国、韓国、フランス、日本でも生産を始めた。サーキュレーターは、冷房や暖房用に出る風を部屋中に攪拌させることで室温のムラが減り、節電につながるとして人気を博しているが、生産拠点を中国から19年に韓国、22年フランスに分散した。
主力の家電は中国で一括生産しているが、100億円を投じて岡山県瀬戸内市に家電製品の専用工場を新設する。瀬戸内市で国内工場は10カ所目となり、中四国には初の進出だ。200人の新規雇用を見込む。24年12月に着工、25年10月完成を見込んでいる。
23年4月から正社員の給与を平均で3.5%(8000円)引き上げるベースアップを実施する。ベアは4年連続で「商品開発は高度化しており、優秀な人材を確保したい。採用を続けることが成長力になる」(大山晃弘社長)。高専など専門分野を持つ人材を増やす。
グローバルサプライチェーンの混乱による供給力や物流機能の低下、さらには急激な為替変動のリスクを回避することもあって、ポスト・コロナ時代は、「メード・イン・ジャパン」復活へと経営の舵を大きく切った。
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