「座り込みの時間を辞書は定義できない」“ひろゆき騒動”に国語辞典編纂者が感じた“違和感”
飯間氏は、ネット上に散見される辞書の役割について、認識の違いを指摘した。では、ひろゆき氏のいう「座り込み」の定義についてはどうか。
「『座り込み』に限らず、『歩く』でも『立つ』でも、辞書編纂者はまず、その言葉がどういう場面で使われるか、実例を集めて分析します。ただ、辞書は典型的な例については詳しく述べますが、典型から外れる例については触れないこともあります。『おやつ』を『間食として食べる菓子など』と説明しても、『バナナはおやつに入るか』までは言及できない。
『座り込み』の場合もそうです。実際の例を見ると、20分とか30分とかいった座り込みの報道記事もあります。その一方で、何時間にもわたる座り込みもある。したがって、『どれだけ長く座れば座り込みである』と決めることは、辞書にはできません」
2019年には名古屋の河村たかし市長が、『表現の不自由展』の再開に抗議し、約10分程度の「座り込み」をした。これほどの短い時間の抗議でも、新聞各社の記事では『座り込みをした』と表現されている。
「河村たかし市長の件もそうですが、言葉というのはいろいろな使われ方をします。『座り込み』に関しては、『特に要求達成までその場に座り込んで動かないこと』と書く辞書もあるし、もう少し広く『目的を遂げるために1カ所に長い間座ること』と書く辞書もある。現実のいろいろな座り込みのうち、どの範囲を視野に入れるかで説明のしかたが変わります。
そんなわけで、辞書に書いてあることを『絶対的な定義』ととらえて、『そこから一歩でも外れると誤用だ』というのは極端です。辞書は言葉を使う上での相談相手であって、法律でもなければ聖典でもありません」
全文はこちら
https://news.yahoo.co.jp/articles/461a4e1b11d99ecc48b031826f1ecee7729f628b