情報発信の一環として人気ビジネス漫画「島耕作」シリーズの主人公、島耕作を副知事に〝起用〟した佐賀県の議会で、任命の経緯などを巡り、議論が起きた。県議が地方自治法の規定を持ち出し、「議会の同意を得ずに就任した」などと問いただしたのだ。背景には、そもそも島耕作が適任なのかどうかという疑問があるという。
■「地方自治法を無視」と主張
県は昨年11月、情報発信プロジェクト「サガプライズ!」の一環として、島耕作の副知事起用を発表。県内のスポーツビジネスと半導体産業に関する情報発信を「担当公務」とし、特設サイト上ではオリジナル漫画などが公開されている。
こうしたコラボレーション企画の事業費は約4500万円。3月13日の県議会総務常任委員会では、自民党の木原奉文県議が「県民から疑問の声が届いている。30代以下は島耕作をほとんど知らない。熱狂的なファンにとってはいいが、佐賀県全体の向上につながるのかはなはだ疑問だ」などと指摘した。
さらに、地方自治法の162条で「副知事及び副市町村長は、普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する」と規定されていることを挙げ、島耕作の就任について、「無視して任命したのか」などと問いただした。
県側は「島耕作は実在する人物ではなく、あくまでPRの観点での事業であって、162条で選任する副知事には該当しないと判断した」などと説明した。<中略>
木原氏はそうした現状にも触れ、「そもそも、島耕作の副知事起用について、漫画を読むなどした県民からは『数々の女性をだましてきた男性であり、適性がない』などと反対の声も届いている。厳しい状況にある我が県の魅力発信の担い手として、疑問だ。13日の県の説明にはまったく納得しておらず、機会を見て、再度指摘したい」と話した。
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