米紙も懸念「神宮外苑の再開発は、歴史的に重要なスタジアムを台無しにするだろう」
明治神宮外苑の再開発について見直しを求める声が高まるなか、この件に海外からも注目が集まっている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は特に明治神宮野球場に着目し、歴史的・文化的価値のあるこの球場を失うとはどういうことかを明らかにしている。
東京の中心部にある明治神宮野球場は、およそ100年にわたり、数多くの重要なイベントの舞台となってきた。
ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグが日米野球でプレーし、小説家の村上春樹はこの球場で野球観戦をしていたときにデビュー作の着想を得た。2022年には、ヤクルトスワローズの村上宗隆が記録的なホームランをスタンドに打ち込んだばかりだ。
だが、大規模な再開発計画により、神宮球場は取り壊され、現代的な施設に建て替えられようとしている。この計画は、野球史ファンや日本ラグビーの歴史を重んじる人々、自然環境への影響を懸念する環境保護活動家など、さまざまな層から厳しい批判にさらされている。
神宮外苑地区は歴史的な緑地だ。「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一が植樹に携わった、樹齢100年のイチョウ並木で知られる。
「ニューヨークのセントラルパークのど真ん中に、超高層ビルを建てるようなものです」。東京大学名誉教授の石川幹子は、この再開発計画についてAP通信にそう語った。「東京は魂を失うことになるでしょう」
その魂の一部が宿る神宮球場は、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場に次いで、日本で2番目に古い野球場だ。この2球場は、メジャーリーグの本拠地球場であるボストンのフェンウェイ・パークやシカゴのリグレー・フィールドに匹敵する、日本プロ野球の本拠地球場でもある。<中略>
再開発が自然に与える影響
球場の歴史以外の面でも、再開発計画は懸念を呼んでいる。というのも、新球場は毎年秋に祭りが開かれる、樹齢100年を超える見事なイチョウ並木のすぐそばに建てられる予定なのだ。
「神宮外苑地区まちづくり」のウェブサイトには、「4列のいちょう並木を保全し、聖徳記念絵画館を臨む見通しの良い美しい景色を後世に継承します」と書かれている。
しかし、文化遺産の保存に携わる専門家で構成される「日本イコモス国内委員会」は、再開発計画がイチョウ並木に適切に対処しておらず、この問題に関する科学的データも提供されていないと指摘する。…
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20230514-00000003-courrier-soci
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