中国におけるギットハブの競合サービスとして人気の「ギッティ(Gitee)」で公開されていたソースコードが一部非公開となり、中国のオープンソース・コミュニティに衝撃を与えている。理由は明らかではないが、中国政府による検閲が疑われており、イノベーションを阻害する恐れが指摘されている。
月18日の朝のことだ。中国の数千人ものソフトウェア開発者たちは、中国企業「ギッティ(Gitee)」にホストされているオープンソース・コードがロックされ、非公開になっていたことに気づいた。ギッティは、国際的なコード・リポジトリ・プラットフォームであるギットハブ(GitHub)の競合サービスで、中国政府の支援を受けている。
ギッティはその日の遅くに声明を発表し、ロックされたコードは手作業でレビューされており、今後はすべてのオープンソース・コードが公開前にレビューが必要になると説明した。ギッティは「選択の余地はなかった」と記している。MITテクノロジーレビューは同社に対して変更理由を問い合わせたが、回答はなかった。中国政府がさらに厳しい検閲を実施したのではないかとの見方が広がっている。
透明性とグローバルなコラボレーションを歓迎する中国のオープンソース・ソフトウェア・コミュニティにとって、今回の動きは衝撃的なものだった。コードに政治が関わるべきではなかった。これがひいてはオープンソース・プロジェクトに貢献する人々の意欲をそぎ、中国のソフトウェア産業はコラボレーション文化を失うのではないかと開発者たちは懸念している。
「オープンソース・ソフトウェアにおけるコード・レビューとは、コードの品質を向上させて、開発者間の信頼関係を築くためのものです。コードレビューに政治的な要素を加えると、その両方が損なわれ、ひいては中国のオープンソース運動を後退させることになるでしょう」。商用オープンソース・ソフトウェア企業「ジーナAI(Jina AI)」の創業者で、ベルリン在住のハン・シャオは言う。
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https://www.technologyreview.jp/s/277275/how-censoring-chinas-open-source-coders-might-backfire/