黒板の字が…視力1.0未満の子、5割弱で過去最高「目を休ませて」
教室で黒板、ホワイトボードを裸眼で見ることに困る子どもが増えている――北海道教育委員会の調査で、裸眼視力が1・0に満たない道内の子どもの割合が5割弱に達し、1970年代の調査開始以来で最高になったことが明らかになった。私生活や授業でデジタル端末を使用する機会が増えていることが、要因の一つとされる。医療関係者は「目を休ませる」ように呼び掛ける。【山田豊】
道教委は学校保健を推進する目的で道内の公立校(幼稚園、小中高、特別支援学校)の児童生徒の健康診断を基に3年ごとに報告書をまとめている。3月末に公表された2020年度版は約45万4000人が対象。今回の調査はコロナ禍で遅れていた。
裸眼の視力が1・0を下回ると、「周囲が見づらくなったな」と感じ始めるという。報告書によると、1・0未満の割合は、道内の幼稚園で35・82%(前回調査比14・70ポイント増)▽小学校で36・47%(同3・32ポイント増)▽中学校で53・83%(同9・9ポイント増)▽高校で67・35%(同7・19ポイント増)――。幼稚園児、小学生の約3人に1人、中高生や特別支援学校生の約2人に1人の視力が低下の傾向にある。
道教委の担当者は裸眼視力低下の原因について「全国的な傾向だが、テレビの視聴やゲームで遊ぶ時間が増えたことが影響した可能性がある。また、コロナ禍で外出の自粛が求められたことによって拍車が掛かった」とみる。
道内の裸眼視力1・0未満の割合は、高校が全国平均(63・17%)と比べて高いという特徴がある。地域差の背景は不明だが、文部科学省が実施する全国体力テストの結果などから道内の子どもはテレビやゲーム機などによる映像の視聴時間(スクリーンタイム)が全国平均よりも長かった。担当者は「寒い期間が他地域と比べて長いなど北海道の気候特性との関係についても専門家に尋ねたい」と話した。道は調査の結果を踏まえて、今後、授業などで活用されるICT(情報通信技術)との向き合い方の対策を検討する。
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https://mainichi.jp/articles/20220409/k00/00m/040/037000c
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