■2025年度の財政再建目標、堅持か否か
現在、両派の対立の焦点となっているのが「2025年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字化する」という従来からの政府目標の取り扱いだ。<中略>
政府は自民党の提言を受け、6月にも経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を策定。これに沿ったかたちで2023年度予算の編成作業に入るのが、例年の流れだ。
しかし、党内が真っ二つに割れる中、正反対の提言を出されては、政府内の調整は難しくなる。このため、両本部の事実上のトップである安倍氏と麻生氏が水面下で調整を重ね、提言内容の修正を重ねるなど、対立の激化を避けようとしてきた経緯がある。
実際、財政政策検討本部がまとめた17日の提言は「カレンダーベースでの目標設定がマクロ経済政策の選択肢をゆがめることがあってはならない」と指摘したものの、政府目標については「十分に検証するべきだ」とするにとどめた。「目標の凍結など過激な文言はあえて控えた結果だ」(関係者)という。
これに対し、財政健全化推進本部の提言の取りまとめはもめた。財政再建を前面に出した提言を取りまとめようとしたため、19日の会合が紛糾。財政政策検討本部の幹部も乗り込み「約束違反だ」と反発するなど一触即発の事態となり、提言の決定は翌20日に持ち越された。
■自民党内の対立は財務省にとって悩みの種
背景には、財政に対する見方の違いがある。
安倍氏をはじめとする積極財政派は「政府はまだまだ借金ができる。心配はいらない」として財政再建は当面、必要はないと主張する。
安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言(J-CASTニュース 会社ウォッチ2022年05月22日付「『日銀は政府の子会社』…安倍氏発言は本音か?焦りの表れか?」参照)も、積極財政路線の延長上のものだ。
これに対し、財政再建派は「日本の財政は既に危機的な水準だ」とみる。さらに財政を悪化させる財政積極派の主張はとても受け入れられない、というわけだ。
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https://www.j-cast.com/kaisha/2022/05/27438012.html?p=all
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