1:名無しさん




青江派と古備前派は、いずれも古備前鍛冶を源流とする刀工集団であり、その作風がよく似ていることからしばしば混同されます。特に太刀の形状や地鉄の表情などに共通点が多く、見分けには高度な鑑定眼が求められます。

青江派の作刀は、時代によって大きく三つに分かれ、「古青江」「中青江」「末青江」と呼ばれています。中でも「古青江」は、平安時代から鎌倉時代中期にかけての作品を指し、作風に際立った特徴が見られます。細身で優雅な姿を持ち、反りが大きく、特に腰元に急角度で反りが入ることから「青江反り」と呼ばれる独自の腰反りを呈しています。また、茎までもが反っている点も古青江の特色のひとつです。刀身の幅は基部が広く、先に向かって細くなる流麗なシルエットを見せます。

地鉄には鍛え模様がはっきりと現れ、沸(にえ)と呼ばれる結晶粒が地に浮かび上がるように現れます。そこには「澄肌(すみはだ)」または「墨肌(すみはだ)」と称される、美しくも複雑な黒い地斑が散りばめられており、青みを帯びた鉄色と対照を成して見る者を引きつけます。

刃文は基本的に直刃を基調としながらも、小乱れが交じるなど、静けさの中に変化と味わいが感じられる仕立てとなっており、全体としては平安時代の雅趣を色濃く残す作風です。

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