アメリカの『サマーキャンプ』という制度は、実はアメリカの格差や教育問題と密接に結びついていて闇が深いのですが、日本ではあまり知られていないと思うので連ツイで簡単に説明しようと思います。欧米の風習を取り入れて商業化するのが得意な日本でも今後ビジネスチャンスがあるかもしれませんね↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
私が小さかったときがそうであったように、アメリカでも昔は子供だけで自転車に乗って海や公園で一日中遊んだり、友達の家に出かけたりといったことがあったようです。今では、11歳、12歳くらいまでは子供だけで外出してはいけない、一人で留守番もさせてもいけない、という法律が州ごとに存在するので、短時間でも放っておくわけにはいきません。
両親が共働きでなかったとしても、2ヶ月半以上子供の面倒をフルで保護者がみるのはなかなかのストレスです。そういうわけで、民間が運営している水泳、テニス、フェンシング、スケードボード、カヌー、アウトドアなどのスポーツ系、または、ピアノ、ミュージカル、演劇、LEGOなどのサマーキャンプに送り込むことが多いのですが、サマーキャンプといっても、年齢が低いうちは泊りがけのスリープオーバーキャンプではなくデイキャンプといって、朝送りに行って夕方迎えにいくパターンが多いです。
早めに申し込むと50ドルオフになるEarly Bird の申し込みが真冬の2月ごろから早々に始まります。人気があり、コストパフォーマンスが高いプログラムになると申し込み初日の日付が変わったとたんにパソコンの前で待機していた保護者が登録するので、あっという間に満員御礼。「アリアナ・グランデのコンサートのチケットくらい難しいんだねー」。私の子供がつぶやきました。友達は入れたのにごめんよー。
https://globe.asahi.com/article/11663796
まず日本人が『サマーキャンプ』と聞いてイメージするのは「夏に自然の中でテントを張ってキャンプをする」という感じだと思いますが、アメリカでいう『サマーキャンプ』は夏休みに子供が有料で参加するイベントで、アウトドア活動に限らず芸術やスポーツ、プログラミングなど様々な種類があります↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
なぜそのようなシステムがあるかと言うと、まずアメリカの夏休みは約3ヶ月間(6〜8月)もあり、学年が変わるタイミングということもあって夏休みの宿題がほとんど出ません。かつ小さい子供を家で留守番させることが違法なアメリカでは、長い夏休みの間に子供を預かってくれる場所が必要となるのです↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
そこで(特に共働きの家庭は)長い夏休みの間に子供を様々なサマーキャンプに参加させて、学習機会と預かってくれる場所を確保します。このサマーキャンプはアメリカでは一大ビジネス産業となっており、その市場規模は5,000億円以上で、さらに毎年伸び続けています↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
しかしサマーキャンプ制度の最大の問題はその参加費の高さです。種類や日数に寄りますが平均で1日あたり100ドル程度が子供1人につき必要です。このお金を問題なく払える裕福な家庭は、長い夏休みの間に子供に様々な体験や学習をさせてあげることができますが、そうではない家庭も多くあります↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
長い夏休みにサマーキャンプに参加できない家庭の子供が陥るのがSummer Learning Loss(夏休み間の学習の喪失)で、これは米国で大きな問題となっています。既に述べたとおり「夏休みの宿題」も無く3ヶ月という長期に渡って学校の学習が中断されることで、算数や読解の力が一気に落ちると言われます↓
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
つまり結局のところ長い夏休みの間、裕福な家庭の子供は様々なサマーキャンプに参加して文化的・教育的な多様な学習ができ、貧困層の子供は何の学習機会も得られないということになり、これが学力格差を広げる要因となっているのです。本当にアメリカは金が全ての究極資本主義国家だなぁ…と感じます。
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
サマーキャンプという名の託児所ですよね、特に低学年では。夏休みが長すぎる。。。
— カズ in シアトル (@kaz_kazuhisa) May 11, 2025
夏休み長過ぎだし学校側はほぼ放置ですもんねー。親は大変ですよね…
— 山口慶明🇺🇸で何とか生きてる (@girlmeetsNG) May 11, 2025
日本の年間の塾や習い事を「夏の3ヶ月でやろう」ですね
— g (@HymnG13) May 11, 2025
スポーツでさえもシーズン制のアメリカ人気質にがっつりハマった気がします
日本も人口減少の生徒数減による受験戦争緩和と学校クラブが廃ると出てくるかも
そもそもアメリカ、夏休みが長すぎるんですよね😇
— リッツ (@overseas_drive) May 11, 2025
日本でも昨今は体験格差の話が話題になりますが、友達との話題について行けないとかいうレベルでなく、学力面でも格差が出てしまうんですね
— ゆえ (@Yue52048) May 11, 2025
アメリカは超優秀な人がいる一方で、一般教養レベルも怪しい人が多数いると聞きますので納得です
なるほど…日本人がイメージする「サマーキャンプ」と全然違ったw
— ラヴァーソウル (@akiaki2019) May 11, 2025
児童文学の『ふたりのロッテ』がサマーキャンプの出会いが話の始まりでしたっけ?
— じらすたー@ウマ娘トレーナーサークルふわふわ厩舎 (@jirastar) May 12, 2025
午前中で終わりで送迎しなくてはならないのでサマーキャンプ自体はパートや専業の家庭向けだったと思います。もしくは家に祖父母がいる等。
— まさく (@maseptember18) May 12, 2025
普段から保育園のような預かりに行ってる子はそこのサマーキャンプに行っていましたね。
私が小学生の頃にアメリカで参加したサマーキャンプを思い出しました。ジムナステックとか動物園のサマーキャンプとか楽しかった思い出しかないですが、今思えば確かに裕福そうな白人の子供しかいなかったです…
— みさみさ (@poporo123456789) May 11, 2025
大学入試の選考手法に、「体験」を採用する流れとあわせて考えると、格差社会の闇を感じますね。
— Respect多聞 (@Respect_tamon) May 11, 2025
先日、某「南部」の州に出張してきましたが、レストラン等の接客業務と清掃等の裏方業務との人種構成比率を見て、問題の根深さを痛感しました。
本当の意味での機会の平等は、遙か遠くですね。
うちは共働きなのでサマーキャンプ無しでは夏休み乗り越えられないのですが、本当に高いです。今年は$2000(2人分)さようならー👋🏻4歳以下のプログラムは本当に数が限られてて早いもの勝ちだし年明けたら速攻予約入れる感じ。毎年ストレスです。
— American Sakura (@american_sakura) May 12, 2025
アメリカのサマーキャンプも結構闇が深いんですね…
— マイナー次郎☄️🥀🧪🥕,e/acc (@mj_IRIAM) May 12, 2025
ウクライナ侵攻関係でロシアのサマーキャンプについて調べたことがありますが、こっちは別ベクトルで闇が深いですね
海外インターナショナルスクールも同じ現状。日本は義務教育期間内であれば日本国内に戻らせ、公立学校に行かせることができる。感謝しかない。ただし海外大学に行くならサマーキャンプで何をしたかも評価されるため帰国はおすすめしない。
— やまやん (@intai_man) May 12, 2025
今日本でも流行ってるよね。アメリカの名門に行くサマーキャンプ。あと中国もビジネスやってる同級生知ってるわ
— もっちゃん_児童養護施設出身→ハーバード院卒@Peru (@Mochidesu_E) May 12, 2025
アメリカの学校予算はschool district(いくつかの市)と州が80-90%なので余裕のある学校は割安でやってたりしてます。エリアによっては公立さえ年間$3m(5億円)くらいの寄付があり、一人PC一台とかあります。
— アメアキ (@americanoaki) May 12, 2025
ご指摘したとおり、闇が深く、格差がえげつないです。
ヨーロッパでも国によっては様々なサマースクールがあり、費用も内容もピンからキリ。
— MiyukiTakane (@MiyukiTakane) May 12, 2025
普段は倹しい生活の家庭でも、キャンプだけは高級ホテルが催すものに参加したり、子ども専属の運転手と車があるような家庭でも、キャンプは自治体開催のほぼ無料で内容がボランティアのに参加したりとか。
インターナショナル・キンダーガーデン園長時代、夏休みが売上ゼロ。サマーキャンプをやった時、夕方までのお預かりにした。日本人は、風呂のないお泊まり教育には否定的で、教室も寝泊まりには適してなかったから。
— Emma Matsumoto (@emacoach) May 12, 2025
結果、ネイティブは参加ほとんどなし。海外に憧れる日本人の子女のみとなった。