「ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記」の著書があるフリージャーナリストの常岡浩介氏は、現在のロシア軍の状況について「ガタガタだと思います」と、苦境に陥っていると分析するが、簡単には引き下がらないともいう。
「他の国の軍隊は負けると士気が下がるが、ソ連軍の流れをくむロシア軍は、いくらやられても下がらない。ロシア軍の性格から見ると、長く戦った方が有利になる」と指摘する。
ロシア軍の士気が低い傾向は、第2次世界大戦の際にも見てとれるという。
「西側の兵士が『自由のために戦う』『帰ったらいい生活が待っている』と理想に燃えていた。一方、ソ連には督戦隊という自軍を監視する部隊がいて、逃げるソ連兵がいたら後ろから撃ち殺した。ドイツ軍に投降すれば、捕虜交換でソ連に戻っても銃殺される。そういう絶望という環境の中で戦争に参加してきた歴史がある」(常岡氏)
西側諸国はロシアに対して経済制裁を科し、国際決済システムのSWIFTからの排除によって通貨ルーブルは暴落。ロシア経済の破綻は時間の問題とも言われる。
普通に考えると、長期戦になればなるほどロシアは不利な状況に陥り、現場の士気も下がると思えるが、プーチン氏の下、恐怖政治が敷かれているロシア軍に対しては、その常識も通用しないという。
「とんでもない死者が出ても、経済的に不利になっても、どうしようもない状態で戦い続けるのはソ連(ロシア)の伝統ともいえる。欧米の分析でも長期戦になれば、ロシアが有利ともある。(現場で戦う)ロシア兵にとっていいことはないが、国家権力にとっては有利な状況で、プーチン大統領も何万人が犠牲になっても戦い続ける性格。最低で不幸な状況です」(常岡氏)
ウクライナ軍は勇猛果敢に戦い続けているが、どこまで士気を維持できるかは分からない。対するロシア軍はハナから士気は底を打っているため、上がってくる可能性があり、圧倒的な軍事力も擁する。弱小、へなちょこ説も流れているロシア軍だが、やはりタフな軍隊といえそうだ。
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